元宝塚歌劇団の娘役として活躍した仙堂花歩がクリエイティブプロデューサーを務める「堺少女歌劇団」の第11回本公演「シャーロックホームズの末裔(まつえい)」が堺市内で行われた。

コロナ禍の団員減少を乗り越え、今年は新たにオーディションで加わったメンバーも含め小学1年〜高校1年の計19人参加。第1部は毎年オリジナル脚本での舞台劇を上演しており、今年は吉本新喜劇などの脚本を長年手掛けている玉井聡司が創作・監修し、中島岳が作曲・音楽監督を担当、22世紀の日本を舞台にしたSF調作品。少子化がさらに進んだネオ・オオサカで子どもたちを集めた「夢をかなえるコンテスト」に隠された陰謀をホームズの血を引く3姉妹とペットのイヌそして居候の女性が奮闘し、権力者の思惑を暴いていく。

第2部のショーは「soaring beyond Borders(国境を飛び越えて)」と題しステージをいっぱいに使って見る者に元気を与えてくれるダンスパフォーマンスを展開。シャープな踊りで大人の雰囲気を感じさせるなどスケールの大きな躍動感で観客を魅了した。
「堺少女歌劇団」は、戦前に堺市内の大浜公園に本拠を置き活動。戦後はずっと途絶えていたが「エンターテインメントによって堺の活性化を」との計画から10数年前に再結成し、同市の主催イベントなどに出演。年1回の本公演は2015年の第1回以降、古典劇を現代風にアレンジするなど意欲的に取り組み活動の成果を保護者や後輩たちに披露してきた。

仙堂プロデューサーは「今年のミュージカルは、広い年齢層の少女たちが約半年間けいこした成果。大人の難しい言い回しや長ぜりふの子どもいて、覚えるのが大変で泣いたり笑ったり。メインとアンサンブルのメンバーをあえて分けず皆が活躍できるよう個々の機会をできるだけ多く取りました。その分、やりがいはあるんですが覚えることが多く皆大変だったと思います」と手応え。ショーは歌劇団のコンセプトである『堺から世界へ』を念頭に「ここから世界へ飛び立てるようハードルを高くし、いつもより大人っぽく仕上げた」と説明、コロナ禍から完全脱却し新たな歩みに自信をのぞかせた。
(畑山 博史)