真木ことみ、32年目で初のフォーク調メイン曲 洋装で挑む新境地「春を信じて」

 やや低めの説得力のある歌い方が持ち味のベテラン演歌歌手、真木ことみが、このほど発売した44枚目シングルCDで初めて明るいフォーク調の歌謡曲「春を信じて」をメインに持ってきた。しかもデビュー以来32年間着物のイメージ強かったが初の洋装、しかも定番のドレスではなく街着風の自然体の衣装。PRで大阪を訪れた真木に心境を聞いた。

新曲PRで大阪を訪れた真木ことみ

 実はこれまでの真木、メインは演歌を外さずにカップリングでシャンソンやワルツ、そして歌謡曲と幅広く歌って組み合わせている。今回は言わばその逆。所属する日本クラウンの担当ディレクターの提案だったと言う。「A面は明るく爽やか歌謡曲。カップリングの『悲しい倖せ』はバリバリのド演歌。それがどちらも作曲は岡千秋先生、作詞は浦千鶴子先生。同じコンビで全然違う内容。岡先生は〝メイン曲作っている時にバッとカップリングのことみの演歌メロディーが降りてきた〟そう。ありがたいですねぇ」と楽しそう。

新曲の衣装はラフな街着風

 確かに単独ライブ時は大好きな高橋真梨子をはじめ中島みゆきなどのカバー曲を好んで歌う。低めの声質に合っているのだ。でもキッパリと「私はホントに演歌が好きなんです。いくら歌っても飽きないし奥が深い。だからこそ違ったメロディーに時々挑戦したくなる」といたずらっぽく。

写真撮影中に声掛けされ思わずニッコリ

 再来年がデビュー35周年の節目。本人は口に出さないが、今の演歌・歌謡界はイケメン男性歌手優位で、女性演歌歌手に取って厳しい時代背景が横たわる。メインかカップリングにけっして演歌を外さない理由もそのあたりにありそう。「ずっと同じ事をやっていると疲れるから時々パターンを変えて緩急付けています」とちょっとはぐらかした。

真木ことみの新作「春を信じて…」CDジャケット

普段の彼女の実像は、今回のメイン曲「春を信じて」とオーバーラップする肩の力が抜けた編み物やパッチワーク好きの等身大アラフィフ女性。「30周年単独ライブは大阪でやらせて頂いてファンの皆様に随分盛り上げて頂いた。私は神奈川県で生まれ育ったので35周年は東京でやらせて頂くつもり。34周年に入ったら本気モードで記念曲作りの検討に入ります」とプロの顔になった。

 (畑山 博史)

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