ネモフィラ絶景の裏側に〝ミツバチ〟造園会社の挑戦

Kei’s(ケイズ)大阪市此花区伝法6丁目

 大阪・舞洲で5月10日まで開催中の「ネモフィラ祭り」。海と空、そして一面を青く染めるネモフィラが溶け合う絶景が来場者を魅了しているが、この景観の裏側には、ある「ミツバチ」への情熱があった。

「多様な生き物と共に生きるまちをつくりたい」と語る河内社長

「蜂蜜」への思いが花畑の原点

 ネモフィラ畑を支える一端を担うのが、大阪市此花区の造園業「Kei’s(ケイズ)」だ。同社はもともと養蜂に取り組んでおり、きっかけは河内進社長の「ネモフィラの蜂蜜ができたら、おいしいのではないか」というユニークな発想だった。当初、会場への蜂箱設置は安全面から難色を示されたが、「ミツバチは本来、人を刺しにくい」と丁寧に説明を重ね、実験導入を経て実現。今では花を飛び回るミツバチの姿が、来場者の目を楽しませる名物となっている。

職人の手仕事でつくる「完璧な青」

 ミツバチがきっかけとなり、現在は造園業者として同会場の約6割の花畑づくりを任されるまでになった。広大な敷地に植えられる約30万ポットの苗は、均一に咲きそろうよう一本ずつ手作業で丁寧に植えられている。これにより、密度高く青色が広がる完成度の高い景観が生まれている。会場では桜との共演や、ネモフィラをイメージした青色のソフトクリームなど、景観を多角的に楽しめる仕掛けも人気だ。

生き物と人が共存するまちづくり

 河内社長が養蜂にこだわる背景には、かつて海外での植樹活動で苗木が根付かなかった苦い経験がある。そこから、すぐに収益を生み、環境も守れる「花と蜂」の仕組みに着目した。現在は造園と養蜂を掛け合わせ、無農薬の重要性を発信しながら「生き物と人が共存できる環境」を追求している。「人だけでなく、多様な生き物と共に生きる〝まち〟をつくりたい」と話す河内社長。舞洲の青い海原には、花の美しさとともに、共生への深い願いが込められている。(竹居真樹)

鮮やかな青に溶け込むように舞うミツバチ。養蜂と造園を営む同社の思いが、生き物と人が共存する風景を彩っている
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