キャンプを〝習い事〟として提供する新たな教育ビジネスが、関西で注目を集めている。三児の父でもある阪本良介さんが代表を務める「できるキャンプアカデミー」(奈良県)は、主に大阪で展開する会員制のキャンプスクールで、開校から約1年半で参加者は200人を超えた。人気クラスではキャンセル待ちが出るほどで、学校や自治体と連携したプログラムも徐々に広がりを見せている。

外遊びができない現代の子どもたち
「外で遊んできなさい」。かつては日常だった一言が、今では少し勇気を要する。安全志向の高まりや近隣への配慮、共働き家庭の増加などで、子どもたちが自由に外で体を動かす時間は年々減少している。公園で駆け回ったり、河原で石ころを拾ったり、小さな冒険に挑戦したり。かつては当たり前だった屋外での遊びが、今や貴重な体験になりつつある。
阪本さんは、自身の子育てやアウトドア活動に関わる中で、この変化が子どもたちの〝自然体験〟の減少につながり、成長の機会を奪っていると感じた。「自然の中で思いきり遊ぶ経験を、特別なイベントとしてではなく、日常的に得られる機会として提供したい」。その一念で立ち上げたのが、〝キャンプを習う〟ことができる「できるキャンプアカデミー」だ。

屋外活動で〝成長の場〟を創出
同アカデミーでは、焚き火を起こす、テントを立てるといった屋外活動を通じ、子どもたちが自ら考え、試行錯誤しながら仲間と協力する体験を重ねる。単なるレジャーではなく、〝やってみる力〟や〝自分で解決する力〟を育むことを重視している。
指導にあたるのは、元教員やキャンプインストラクター、防災士などの専門家。子ども一人一人の成長に寄り添い、小さな〝できた〟を見逃さずに共有する姿勢は、保護者からも高く評価されている。

自然体験を日常に、誰も取りこぼさない学びへ
「自然とのふれあいでしか得られない学びを、どの子にも格差なく届けたい」と阪本さんは話す。近年は、学校や自治体と連携した出前授業のほか、防災と自然体験を組み合わせたプログラムにも取り組み、活動の幅を広げている。
関西での活動を軸に、将来的には全国展開も視野に入れる。「子どもたちが自然の中で遊び、挑戦し、仲間と協力する喜びを感じられる社会づくりに貢献できれば」。阪本さんのまなざしは、穏やかな中にも確かな決意をにじませていた。
詳細は同社公式URL(https://dekirucamp.site/)へ。
(文・西村由起子)
