“崖っぷち演歌歌手”秋山涼子、大阪発流行歌ライブのトリを飾る

  ベテランだが大ヒット曲を持たないことで自ら〝崖っぷち演歌歌手〟を名乗る秋山涼子が、大阪・アメリカ村内のライブハウスBIGCATで開かれた2月度「大阪発流行歌ライブ」に出演。デビュー10年以下の若手出演が多い舞台のトリを、35周年を迎えたベテランの味でピシッと締めた。

〝崖っぷちの演歌歌手〟秋山の自虐トークに場内は大爆笑

 新曲「サロマの湖」は北海道シリーズ第5弾。流行の兆しを見せるムード歌謡のかおりが心憎い。カップリング「恋の双六おんな旅」は股旅物を連想させ、どちらも昭和演歌の味わいからカラオケで歌ってみたくなる仕上がり。

歌いながらも笑顔を絶やさない秋山

 秋山の代名詞〝崖っぷち演歌歌手〟とはテレビ東京制作「家、ついて行ってイイですか?」ロケに路上で引っ張り出され付いたニックネーム。「突然声掛けられてビックリし一度はお断りしたんです。でもよく考えたら全国ネットのテレビ出演するチャンス。思い直して自宅まで一緒に…。お陰様で好評で〝その後の崖っぷち演歌歌手〟まで番組で作って頂きました」と苦笑する。

若手と共に「大阪発流行歌ライブ」出演の秋山(右から2人目)

長持ちの秘けつは自己完結型なこと。もともと江戸っ子で東京の拠点捜しの心配なし。全国各地への移動は自分がハンドルを握って衣装や小道具すべてを派手なラッピングのワゴン車に積み込みは運転。さらに最近では作曲も手掛けて手間いらず。「今回も作詞の円香乃先生と編曲の伊戸のりお先生、それにレコード会社スッタフに集まって頂き制作会議。私は詞が先にないと曲が書けないので、最初に北海道で場所を決めて詞を書いて頂く。それに私がスマホ内のピアノ鍵盤でメロディーを付ける。仕上げは伊戸先生と一緒に手直し」と作業過程を説明。「幼い頃に親がピアノを習わせてくれたのが今になって役立っています。丈夫な声も含め親に感謝です」と明かす。 

秋山涼子の新作CD「サロマの湖」のジャケット

 「35周年といってもまだ何も考えていない。40周年に向け走りながら考えてみます」と、全国のカラオケ喫茶で待つファンの元へ、今日も東奔西走の日々だ。


(畑山 博史)