大阪公立大学の開設を皮切りに、アリーナ建設や新駅整備など「点」ではなく「面」の開発が徐々に広がる大阪「ヒガシ」エリア。子ども比率市内トップ、1世帯あたり平均人員も市内唯一の2人超えと、もともとファミリーに選ばれてきた鶴見区では、その追い風を受けて住宅地の地価上昇率が大阪市24区中5位(令和8年地価公示)まで上昇している。「選ばれるまち」としてさらなる飛躍が期待される中、今年4月に着任した三村浩也鶴見区長に、まちの魅力とこれからのビジョンを聞いた。

―鶴見区の印象は
着任してすぐ区内を歩き回りましたが、一番のシンボルはやはり鶴見緑地公園ですね。とにかく広くて、散策にスポーツ、自然も楽しめ、子どもからお年寄りまであらゆる世代の方の憩いの場になっています。日曜日にはマルシェもあり、先日、他区から遊びに来られた方に「いろんなイベントが目白押しで、とてもいい公園ですね」と声をかけていただきました。


もう一つ強く感じるのがファミリー世帯の多さです。大阪市の1世帯あたり人員は1・69人ですが、鶴見区は2・05人(※大阪市住民基本台帳人口・令和8年3月末)。市内24区では唯一2・0を超えています。
そのためスーパーやイオンモールなどの商業施設が充実しており、私自身も着任とともに区内に移り住みましたが、生活利便性の高さを肌で感じています。
交通の面でも利便性は高く、心斎橋へ電車一本、京橋で乗り換えれば梅田にも行けます。区内ではオンデマンドバスも走るようになり、さらに便利になりました。

―「地域のつながりが強い」と聞く鶴見区。その背景や効果は
町会加入率が約69%(令和5年度末)で市内トップです。市平均が50%前後の中、これは際立った数字だと言えます。理由はやはり子どもの多さではないでしょうか。子ども同士は知らない間にコミュニティーを作る。親世代もそれに引っ張られて、学校行事を通じて共通の話題が生まれる。子どもは社会をつなぐ一番の接着剤だと感じています。
地域のつながりはイベントなどの楽しみだけではなく、防犯や防災にも直結します。不審な車に気づいて通報できるのも、顔見知りの関係があってこそ。災害時の避難所運営も、知り合い同士であればよりスムーズに動ける。コミュニティーが機能することが、安心安全なまちの基盤になっています。
―区政として独自に力を入れていることは
子育て・教育と防災には力を入れています。特に全国的な課題となっている不登校問題については、子どもが多い鶴見区だからこその独自の支援体制を整えています。
区内の小中学校全校を対象に、不登校・登校渋りの子どもたちへ個別にアプローチする事業を展開しており、区役所内に「つるみルーム」という子どもの居場所を設けています。子どもの問題は親子で孤独に向き合うことになりがちですが、そこに行政として手が差し伸べられることは大きな意味があると考えています。

防災面でもユニークな取り組みがあります。区役所の敷地に令和6年7月、くみ上げ式の防災井戸を設置しました。試験的に井戸を掘削したのち、令和7年10月の改良で地下30㍍ほどに達すると安定的な揚水が可能となりました。能登半島地震で生活用水の確保が大きな課題になったことや、地域の方からの声をきっかけに試験整備を進めたもので、今後は災害時の避難所となる小中学校にも広げていく方針です。

―大阪城東部地区のまちづくりが本格化しつつあるという動きをどう見ているか
開発の本格化で大阪城東部地区のまちづくりが盛り上がり、さらに人が集まるようになれば、職住近接の観点からも鶴見区の〝住むまち〟としての魅力はより高まると思っています。これまで積み上げてきた住みやすさを土台に、これからも住む場所としての価値や安全性をさらにしっかり磨いていくことが私たちの役割だと考えています。
―鶴見区での暮らしを検討している人にメッセージを
都心へのアクセスの良さと、緑地公園や充実した商業環境。そして、人と人がつながる温かいコミュニティー。これだけの条件がそろっているまちはなかなかないと思います。ぜひこのまちの発展を一緒に担ってほしいと思います。


