上方浪曲のホープ、京山幸太(30)の令和5年度の「咲くやこの花賞」大衆芸能部門(浪曲)受賞を記念する「浪曲と笑いの渦」が大阪で100年の歴史を持つ伝統建築、大阪倶楽部で開催され満員の観客から盛大な声援。

「咲くやこの花賞」は、大阪市が大阪文化の将来を担う若手芸術家を対象に選んでおり、大衆芸能部門で浪曲が選ばれるのは40年を超える賞歴で春野恵子(51)らに次ぎ4人目。

この日はまず幸太創作による新作、架空の伝説プロレスラー三条凡児一代記から中学生時代のエピソードを披露。中入り後、趣向をがらりと変えてピン芸日本一を競う「R-1」決勝を目指した1人コントを得意の女装で登場。バッと上着を脱ぎ捨てると筋トレで鍛え上げた肉体美で観客も二度びっくり。同じソニーMA所属のお笑いコンビ「錦鯉」が応援ゲストで駆け付け、トリでは京山一門得意の江戸相撲ネタ「雷電と八角」を正調でじっくりと聞かせ、様々なパターン変化でファンを魅了した。

師匠・二代目京山幸枝若(70)が昨年末に東西通じ浪曲界初の人間国宝に認定され、各会場では「この機会に初めて浪曲を聴いた」という人が急増。今年で入門12年目の幸太にもスポットが当たり「師匠のおかげで吉本高等学院(吉本興業でエンタメ教育しながら通信制高卒資格を取れる教育施設)で大衆文化教育の一環として、私と妹弟子・幸乃の2人で浪曲授業を担当させていただくことになりました」と認知度拡大へのチャンスに意欲。
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将来は芸域を広げ「いずれはR-1王者を取りたい。でも今年は師匠の人間国宝認定で僕らにもいっぱいチャンスが頂ける。当分は皆さんに浪曲をまずたっぷりに聞いて頂きたいので当分は本業に専念します」と突然訪れた特需に張り切っている。
(畑山 博史)