大月みやこ80歳、上本町で節目のコンサート

 「女の港」「白い海峡」のヒットで日本レコード大賞やNHK紅白歌合戦出場10回のベテラン演歌歌手、大月みやこが4月23日の誕生日当日に生まれ故郷・大阪で「80歳バースデーコンサート」を開く。

表情豊かに歌う大月

 会場の新歌舞伎座がある近鉄大阪線終点の大阪上本町駅前は彼女にとって青春思い出の地。府立の名門・八尾高在学中の彼女は、自宅のあった八尾市から毎週この駅まで出てバスに乗り換え、歌のレッスンへ幼い頃から10年間通った。「駅の上に今と同じ近鉄百貨店があってね。新歌舞伎座の場所は封切り映画館でした。駅前交差点の感じもあまり変わってなくて、大阪市電が走ってました」と懐かしそう。

大月みやこ80歳誕生日コンサートのポスター

 地域きっての進学校の卒業間際に、今も所属するキングレコードから現在で言うオーディションに呼ばれ合格。4月になって母に付き添われ上京すると、6月にはデビュー曲「母恋三味線」レコーディングとトントン拍子でプロへ。当時の同社には三橋美智也、春日八郎の2大スターがおり、その前座歌手として全国を回る生活へ。好きな歌が歌える日々を喜びながら気付くとデビューから足かけ20年で紅白初出場の遅咲き。さらにレコード大賞受賞はさらに6年後だった。今では文化庁長官表彰や旭日小綬章受章と戦後歌謡史に輝かしい名を印す存在。浮き沈みの激しい歌謡界で、レコード会社の移籍もなく63年目の歌手人生。「〝楽しい、楽しい〟でやってきた歌手人生で悩んだ事はなかったですね。大病もせず、のども丈夫でポリープもできたことがない。健康法は特にないんですがゴルフが大好きで今も続けてます。傘寿の節目に思い出多い上六(大阪人が使う「上本町六丁目」の略称)でコンサートができて幸せ」と楽しそう。20曲を歌う予定で「今、曲目選びの最中ですがたくさんあるのでスタッフと相談しながら決めていってます」と説明。

新曲用衣装を身に付けた大月

 3月にシングル盤131曲目の新曲「夢花火」が出た。得意の演歌定番・悲恋モノではなく、ゆったりとしたリズムで「あなたが居たから、私は生きられた」と語りかけるファンに向けた感謝のメッセージ。「(作曲の)弦(哲也)先生と(作詞の田久保)真見先生が3曲作って下さってね。全部聴いてみて相談して〝ドラマチックでスケールのあるモノがいいよね〟という事でコレに決めました」と話す。聴いてみると中音のファルセット(裏声)部分がごく自然に使われており、口ずさむと意外に難しい。彼女の歌の味わいの秘密の一端を感じた。

大月みやこの新曲CD「夢花火」ジャケット

 「私、同窓会の高校17期でしてね。男性には大きな企業のトップを務められた方も多い。最近、同窓会のお誘いが多くなって楽しいですね。別に改めて大きな目標もないんですけど、元気で歌い続けられるのが一番」とどこまでも自然体を貫いている。

(畑山 博史)

タイトルとURLをコピーしました