〝おんなの情念〟を歌い継ぐ王道演歌歌手の椎名佐千子が、パーソナリティを務めるラジオ番組「なんとかなるさ♪椎名佐千子です」(毎週木曜夜9時)出演のため、制作局の大阪・弁天町にあるラジオ大阪(OBC)へ。今週も原田年晴アナとのコンビは絶好調でスタジオには明るい笑顔があふれた。

19歳でプロデビューし今年は25周年。記念の3月新譜「それからの港町」は故郷の千葉県旭市から臨む太平洋の大海原を思わせるスケールが大きいダイナミックな曲調。作曲の岡千秋からは「いつも通り感じたままに自由に歌って」と全面的に託され、彼女自身の実像と重なるシンの強い女性を熱唱で表現した。
2枚同時発売のCDのAタイプカップリング曲「愛の枯葉」はメインと同じく岡が作曲し、作詞はベテラン水木れいじ。意外にも椎名と初コンビとなる水木からテレサ・テンをリスペクトするスタッカート気味の歌い方の要求が来た。椎名にとっては新鮮な挑戦でファンからも好評。

Bタイプのカップリング曲「七夕まつり」は彼女自身の作詞。幼い頃からなじんだ地元・旭市で8月初旬開催される「七夕市民まつり」に、いつも連れて行ってくれ兄のように慕っていた叔父の存在をイメージした。21歳の若さで事故早世した叔父をしのび「何度歌ってもグッときて泣ける」という思い入れの強い曲だ。補作詞と作曲は、普段から彼女を担当しているキングレコードの山本夏伊ディレクターが引き受けてくれた。
演歌を歌う時の衣装は今も振り袖を愛用。「スッと二の腕を横に動かした時に袖が付いて来てくれて流れるような感覚が好き。アラフォーですけど当分は振り袖で」と気に入っている。

ラジオ収録の時は洋装の普段着。一般の方も利用するエレベーターで筆者は偶然彼女と乗り合わせたが仕事を持つ女性のオーラが嫌みなく周囲に発信され芸能人とは異なる存在感。スッとエレベーター内でたたずむ立ち姿からは、好きな水泳で筋力を維持しステージでマルチに披露する助六太鼓やギター、ウクレレなどの稽古も怠らない体幹の強さがごく自然に伝わってくる。
25周年記念コンサートは11月の誕生日に合わせ東京で開催予定だが、関西ではアットホームなファンとの距離感を縮めたミーティングイベントなどを計画。「大阪発のラジオ番組を聞いて頂いている方が関西では多いので、生のステージでは出来るだけストレートなおしゃべりを大切にしています。ラジオ番組をやらせて頂いているお陰で、原田アナからなにわトークの基本〝オチのある笑い〟の掛け合いもかなり理解できてきました。私はまだまだですけど…」と演歌歌手生活との二面性を楽しんでいる。
(畑山博史)

