パラアイスホッケー日本代表伊藤樹、11年の軌跡追うドキュメント放送

 交通事故で下半身が不自由になりながら大好きだったアイスホッケーへの夢を諦めず、ミラノ・コルティナダンペツォ2026パラリンピック(3月6~15日)のパラアイスホッケー日本代表になった伊藤樹選手(20)を11年間に渡って追い続けた「ザ・ドキュメント 氷の上で、生きていく~ミラノへの11年~」が22日午後4時から同局で放送される。ナレーションは同局制作のドラマで伊藤選手と同じイツキの役名で車椅子の青年役を演じた縁で松坂桃李が務める。

パラアイスホッケー日本代表の中心選手に成長した伊藤選手(㊧)ⓒカンテレ

 東大阪市在住の伊藤選手は幼い頃からアイスホッケーに打ち込んでいたが、8歳の時に練習に向かうため母の紅子さんが運転する車に乗っていて、中央線を越えてきた車に衝突された。2人は重傷を負い、樹少年は脊椎損傷で下半身の自由を奪われた。退院後、樹少年はパラアイスホッケーの存在を知り転向。パラ用の小さな2つのスティックの扱いにも慣れメキメキ頭角を現し全日本級に成長、アスリート社員として入社した企業の後押しもあり世界トップ級の全米代表チームの練習に参加するまでになった。

パラアイスホッケー日本代表としてメディアへの露出も増えた伊藤選手ⓒカンテレ

 昨年末の世界最終予選は6カ国総当たりで上位2チームのみにパラリンピックへのキップが与えられる激戦。初戦いきなり敗れた日本。絶体絶命に追い込まれたチームのエース伊藤選手はここで底力を発揮し、夢だったパラリンピック出場へ皆を導く事ができるのか? 最後の難関突破を賭けた戦いが始まる。

下半身に障がいを負った伊藤選手(右)を支え続けた母の紅子さんⓒカンテレ

 担当の縄田丈典ディレクターは、昨年10月まで夕方の「newsランナー」編集長で日々超多忙だった。「ボクは伊藤選手取材を前任者から引き継いで約8年間担当しました。11年間追い続けた彼が本当に念願のパラリンピックの晴れ舞台でプレーできることになればボクも〝ドラマみたいや!〟と感動と驚きでいっぱい。小学生時代から撮りためた動画素材は約400時間にのぼり、1時間番組に収めるために泣く泣くカットした場面も多い」と感慨深げ。宮田輝美プロデューサーも「ドキュメンタリーはドラマのようにハッピーエンドにならない事や、長年追い続けても番組にならないケースもある。11年間の軌跡を番組としてご覧頂けるのは私たちもうれしい」とホッとした表情。

伊藤選手と家族を長年追い続けた縄田ディレクター

 (畑山 博史)

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