4月8日に新曲「千年の懸想文」を出す五木ひろしが、現在の芸名に改名するきっかっけとなったヒット曲「よこはま・たそがれ」から55年を記念した「アニバーサリーコンサート」の大阪でのツアーをフェスティバルホールで開催。全2700席を埋めた満員のファンに、既に開催された愛知、東京の会場同様半世紀を超えるヒット曲を中心に36曲を途中休憩なしの早着替えで一気に歌い上げた。

五木は昨年がプロデビュー60周年。本名・松山数男に近い松山まさるから始まり一条英一を経て、三谷謙の芸名で1970年に出場した人気テレビ番組「全日本歌謡選手権」で10週連続勝ち抜きグランドチャンピオンに就き翌71年に作家・五木寛之から名付けられた現在の芸名となり71年に同曲で再デビュー。この番組が大阪・読売テレビ制作だったことから「大阪が〝五木ひろし〟のふるさと。私の第2の故郷です」と言ってはばからない。その名にちなんで「1、3、5とホップ、ステップ、ジャンプ」と話しラッキーナンバーとなった「5」は特に大切にし興した会社名も『ファイブズエンタテインメント』とした。

フェスの広い舞台を縦横に動き回り「長崎から船に乗って」では「♪長崎から船に乗って…」と歌い始めてから「…大阪に着いた~」と歌詞を変え、近年のヒット曲「夜明けのブルース」では「♪ここは松山、二番町の店」の歌詞を「♪ここは大阪、フェスティバルホール」と言い替える機転のサービス。
トークではホワイトデー(3月14日)の誕生日に触れ、「またひとつ年を重ねました。あと2年で大台の80歳。私の歌を励みにしてくださる人もいらっしゃる。頑張っていきます」と報告。常々「五木ひろしができる間はやる。できなくなったら辞める」と実年齢に関係なく、プロとして歌える声と体力を基準に活動。それでも後期高齢者に達し「今年また運転免許証の書き換えだったんです。75歳以上は無事故無違反でも有効期間が3年であっという間…。更新は認知機能テストなどもあり時間が掛かりますが、返納すると急に年寄り臭くなりますからね。どこまでも免許証所持を貫いてやろうと思います」と周囲の変化を口にした。

昨夏の東京・明治座公演最中に慢性閉塞性肺疾患による気管支炎で緊急入院し初めて数日間の休演を余儀なくされた。フルマラソンを何度も走り切る基礎体力を誇ってきただけに周囲もびっくり。しかし、明けた今年は年内いっぱい2時間超のこのアニバーサリーコンサートを続ける計画で、5月以降は首都圏中心に秋まで既に全国8カ所での開催が決定、さらに増えそうな勢い。名古屋・御園座130周年記念スペシャルコンサートも5月に2日連続とスケージュールはどんどん埋まる。
生歌でステージに長時間立つ現役歌手は、気力だけでなく体力を裏打ちされた歌声が出せないと長時間の舞台を務められない。もはや誰もライバルが居ない歌謡界の帝王が自らを極める歌旅を今日も続ける。
(畑山 博史)
