大阪梅田駅から阪急電車に乗り込み、淀川を渡ると、進行方向右手にひときわ背の高いタワーマンションが目に飛び込んでくる。阪急阪神不動産が開発した、地上39階建て、総戸数712戸の「ジオタワー大阪十三」だ。もと淀川区役所跡地の再開発で、まちの新たなランドマークとなるビッグプロジェクトが、いよいよ竣工を迎えた。

淀川区役所跡地が大変貌 図書館やスーパー備えた「十三クロス」完成
ジオタワー大阪十三は単なるタワーマンションではない。もと淀川区役所跡地の利活用として、「官・民・学」が連携した複合開発が進められてきた。2024年4月には、西側敷地に学校法人履正社が運営する医療系の専門学校が開校。そして今月、東側敷地にタワーマンションのほか、図書館、保育・学童施設、スーパーなどが入る複合施設が完成した。同施設は、多世代の人々が集い、交差(クロス)する場所となることを願い、「JUSO CROSS(十三クロス)」と名付けられた。

施設の前面には、地域住民が憩える公開空地が整備され、今後は各種イベントやマルシェ、防災訓練などにも活用される予定だ。図書館や保育・学童施設、スーパーもマンション居住者に限らず広く一般に開放され、誰もが利用できる。

「大きなポテンシャル」市長が評価
4月15日に行われた竣工式に来賓として出席した横山英幸大阪市長は、「十三のまちは大きなポテンシャルを持っている。新大阪と十三が阪急で結ばれれば、リニアや北陸新幹線も含め、日本全国につながる新幹線との接続がよりスムーズになる。また、大阪空港や関西国際空港を通じて世界とつながるネットワークも形成される。梅田、神戸、京都にもアクセスでき、自然も身近だ。JUSO CROSS、ジオタワー大阪十三は、そんな十三のランドマーク、一大拠点になるだろう」と述べた。

横山市長は3期12年にわたる府議会議員時代に、淀川区を選挙区として活動していた。式典では、自身が5年間、JUSO CROSS隣接のマンションに住んでいたことを明かし、「この地が整備された姿を見て感動している。当時はスーパーがなく苦労した。ここにスーパーができることは、地域の方が最も喜んでいるのではないか」と語った。
「住みたい街・十三」へ前進
現在、大阪市内中心部ではタワーマンションの販売価格が高騰し、法人や外国人による短期転売や投資目的の購入が社会問題となっている。ジオタワー大阪十三は、こうした流れとは一線を画し、購入者の多くが実需目的で、「住むための住宅」となっているようだ。

居住者同士の交流を育む「コミュニティルーム」、木の温もりと緑に囲まれた環境でテレワークができる「ワーキングテラス」、梅田の摩天楼群や都心の壮大なパノラマを一望できる30階の「スカイラウンジ」など、多様なライフスタイルに対応する共用施設が充実している。

阪急阪神不動産の古谷(こたに)慎一取締役は、「マンションで絶対に間違えない3要素は、①駅近であること、②駅力が高いこと(特急や急行が停車)、③商業施設が近くにあること、と言われている。本件はこの3つすべてを力強く兼ね備えている」と強調する。

3年前、大阪市内のホテルで開かれた本プロジェクトの記者発表で、同社担当者は「十三を〝住みたい街ランキング〟に入るようなまちにしたい」と構想を語っていた。完成した施設と物件を前にすると、現実味を帯びてきたと感じられる。これからの十三の発展に期待せずにはいられない。
