家計直撃、値上げの春 食品2500品目超、保険料負担も増

 4月から食料品や光熱費、社会保険料の値上げが相次ぎ、家計を多方面から圧迫する。帝国データバンクの調査では食品2516品目が対象。政府補助の終了や新制度導入も重なり、暮らしへの影響は避けられそうもない。

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食料品だけじゃない暮らし全体に広がる4月の値上げ

 原材料や人件費の上昇が続くなか、4月も食品を中心に幅広い分野で値上げが相次ぐ。電気・ガス料金補助の終了も重なり、家計への影響はこれまで以上に広がる見通しだ。一方、軽油の暫定税率廃止という「朗報」は、原油高で恩恵が見えにくい状況。事前に知って適切な対策をしよう。

マヨネーズなど2516品目が値上げ

 帝国データバンクが食品主要195社を対象に行った調査によると、4月の飲食料品値上げは2516品目の見通しだ。マヨネーズ(味の素)などの調味料類、加工食品が主な対象で、「原材料高」の影響が最も大きく、続いて「包装・資材」「人件費」の上昇が背景にある。
 値上げ品目数が急増した2025年と比較し、26年は値上げのペースに落ち着きがみられるものの、年度始めの春は依然として値上げが集中する傾向があり、家計への影響は小さくない。

食品以外にも値上げの波

 食料品にとどまらず、暮らし全体に値上げの影響が広がっている。4月からは電気・ガス料金への政府補助が終了する予定で、関西電力・大阪ガスの料金にも影響が出る見通し。ティッシュやキッチンペーパーなどの紙製品、ビール・ウイスキーなどの酒類も値上がりし、加熱式たばこも1箱あたり20〜50円の引き上げとなる。

保険料・社会負担も増加

 保険料の負担も増す。4月分の医療保険料からは「子ども・子育て支援金」の徴収が始まり、会社員で平均月約550円の負担増となる見込みだ。また、自営業者などが加入する国民年金保険料も月410円引き上げられ、1万7920円となる。

軽油「値下げ」のはずが…

 一方、4月1日には軽油引取税の暫定税率(17.1円/㍑)が廃止される。本来であれば軽油価格の引き下げ要因となり、物流コストの低減にもつながるはずだった。しかし、中東情勢の急変に伴う原油価格の高騰がその効果をほぼ相殺。政府は緊急補助金を再開し、全国平均を170円程度に抑える方針を示しているが、運送業や飲食店など軽油を多く使う事業者にとって、恩恵を実感しにくい状況が続いている。 

飲食店もコスト増に苦悩

 JR京橋駅周辺は立ち飲みや大衆居酒屋、串カツ、ホルモン焼きなど 〝安くてうまい〟飲食店が数多くひしめく地域だ。駅北の商店街を抜けた場所にある、広島の郷土料理の居酒屋「結」。普段から満席になることの多い人気店だが、店主は4月からの値上がりに危機感を募らせる。
 「マヨネーズや日本産ウイスキーの仕入れ値が上がるのも痛いが、ビールサーバーの炭酸ガスの値上げが大きな打撃」と話す店主。炭酸ガスの仕入れはこれまで3200円だったが、4月から4200円になるという通知が業者から届いた。
 同店では生ビールを450円で提供。昨春、ビール類の仕入れ価格が上がったときも「価格転嫁はできなかった」という。
 〝安くてうまい〟の地域性がある京橋は値段に敏感な客が多い。同店では次々に訪れた物価高にも、冬場はエアコンから石油ファンヒーターに切り替えて電気代を節約したり、自家用車で広島まで仕入れに行き、送料を節約するなど努力を重ね、消費者への価格転嫁を避け続けてきた。
 「飲食店経営は、お客さんがいつもより注文数を減らしている、常連客の訪れる頻度が減っているなど微妙な変化を肌で感じるから値上げしにくい。知り合いの飲食店経営者らもそうだが、今回も経営努力で値上がり分を吸収するつもり」と話していた。

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