デビュー25周年の瀬口侑希 新曲2作と男唄カバーで魅せた“里帰りライブ”

 演歌・歌謡曲ファンにCDを付けた安価で複数プロ歌手の生歌を楽しんでもらう「KOBE流行歌ライブ」が神戸・新開地で開催され、地元で生まれ育った歌手、瀬口侑希が出演。12月に発売されたばかりの新曲「二人傘」など6曲を披露。満員の客席には出身の県立御影高など学生時代の同級生らが多数詰め掛け盛んな声援を送った。

情緒たっぷりと歌う瀬口

 瀬口は今年がデビュー25周年でシングル盤35作目といずれも節目。今年の日本作詞大賞で新人賞受賞曲の歌手に指定されており、高城のぼる作詞の「二人傘」と米塚ひろし作詞の「奪うつもりで愛します」はいずれも最優秀新人賞受賞作。作曲は氷川きよしや山内惠介を育てた作曲家・水森英夫で、瀬口にとっては3作目のコンビ。2作はどちらもバリバリの演歌だが全く異なる曲調となり「二人傘」はしっとりと相合い傘で歩く2人を歌ったカラオケで歌唱しやすいゆったりテンポ。「奪う~」は逆に音域の広い瀬口の特徴を生かしたハイテンポなメロディーで道ならぬ恋の物語。瀬口は「新人の方々が受賞された作品なので、水森先生は詞をしっかり生かした曲を作って下さいました。全く曲調が異なるので、来年に向けしっかり歌っていきたい」と抱負。

「KOBE流行歌ライブ」の他の出演者と共に舞台で語る瀬口(中央)

 この日の舞台では「そして神戸」(1998年・前川清)、「霧にむせぶ夜」(93年・黒木憲)と〝20世紀の男唄〟をカバーして熱唱。どちらも女性歌手には難しい曲で、歌のうまさが際立ち客席から盛んな拍手。

 一足早く今年を振り返り、幼い頃から神戸っ子らしく阪神タイガースファンとしてぶっちぎりのリーグ優勝が「一番印象に残っている」と笑顔。「夜は曲を覚える時間が長いのですが、テレビの画面だけは音を消して阪神のナイター中継。今年は圧勝の試合が多かったので、イライラする事も少なかったから」と楽しそう。

CD即売会で色紙にサインしながらファンと言葉を交わす瀬口

 来年の目標について「一口でデビュー25周年、レコードやCD35枚と言っても私たちの仕事は次の作品が常に約束されている訳ではありません。お客様の支持があり、先生方に楽曲を作って頂いて初めて年を重ねることができる。大がかりな周年記念コンサートも大事ですが、お客様と近い距離で歌えるこうしたライブをあちこちで独りでも開催できるような歌手でいたい」と客席に約束した。

瀬口侑希の最新曲「二人傘」のCDジャケット

(畑山 博史)

タイトルとURLをコピーしました