歌手の五木ひろし(78)が全国ツアー「『よこはま・たそがれ』から55年 ~アニバーサリーコンサート」(関西では9月9日に兵庫・アクリエひめじ)の開催が決まり〝第2の故郷〟大阪で取材に応じ思いを語った。

昨夏の東京・明治座公演中に肺疾患と気管支炎でダウンし緊急入院。不屈の回復力で退院、公演終盤に復帰した。今では3時間近いコンサートを専属バンドと共に独りでこなし、司会者や共演者も置かず一気に20曲以上を歌い上げるステージ。誰もが知る自身のヒット曲を年代別にトークを加え披露。自身が作曲し、作詞家・田久保真見が書き下ろした壮大なスケールの新曲「千年の懸想文」を歌い上げ。「軽快な曲に比べ、こういう曲は何倍も疲れるけどもう大丈夫」とコブシを握ってうなずいた。

明治座で倒れ、気付いたら入院していて最初に考えたのは「舞台をどうしようか?」との心配。結果的に多くの仲間が駆け付け支えてくれた。「まず吉(幾三)くんが最初にメッセージをくれた」と明かし、里見浩太朗、山本譲二、竹島宏らが次々特別ゲストとして代わって舞台へ。共演していた坂本冬美が座長代理を務め、五木の代役は別役だった太川陽介が一晩でセリフを覚えて演じ乗り切った。「あぁ仲間は有り難いなぁ」と感謝していると言う。心配掛けた妻の和由布子に「女房がいなかったら、今のボクは居ないってぐらい助けてくれていますし、命を救ってくれたのも女房。より結束が強くなりました」とさまざまな人々との絆を再認識した。

2018年春までNHKテレビで放送された音楽バラエティー「五木先生の歌う!SHOW学校」で五木先生の下で生徒役を演じたのが山内惠介や丘みどり、市川由紀乃、三山ひろしらの次世代を担う若手歌手。最近では自身のコンサートに辰巳ゆうとや朝花美穂らさらに若い歌手を帯同し育成。五木は「〝よこはま・たそがれ〟がヒットし、下積みからようやくつかんだチャンス。回りを見ずに懸命に駆け抜けてきた。だから弟子も取ったことはなかった」と振り返り、「偉大な諸先輩から引き継いだ歌のバトン。受け継いだボクはしっかりと次の世代に引き継ぐ責任がある。日本の演歌・歌謡曲は歌舞伎や大相撲と同じく現代日本の伝統文化です」とキッパリ。

今年のツアーについて「ずっと応援してくれた皆さんに感謝の気持ち。体調を崩したこともあったので、より一層体調に気を付けながら日々を大事に頑張ります」と決意を込めた。
(畑山 博史)
