見て楽しむ、育ててうれしいアジサイの季節です

 ジメジメした季節がちょっと楽しみになるどりのアジサイ。今回は、家族連れで気軽に行けるアジサイスポットの紹介と、花の色のヒミツや育て方について、園芸のプロ・長谷波靖史さんに話を聞きました。

奈良県桜井市の長谷寺のアジサイ
奈良県桜井市の長谷寺のアジサイ
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神戸布引ハーブ園 (神戸市)

神戸布引ハーブ園

見ごろ 6月下旬~7月下旬

兵庫県神戸市中央区北野町1-4-3/営業時間:ハーブ園(10:00~17:00、土・日は20:30まで)、ロープウェイ上り時刻(9:30~16:45、土日祝は20:15まで)/休館日:ロープウェイ設備点検日は臨時休園 ※季節により異なる/入場料:ロープウェイ乗車料+ハーブ園入園料:往復(大人2000円、小・中学生1000円)、片道(大人1400円、小・中学生700円)、未就学児無料/株数:約1500株

勝尾寺 (箕面市)

勝尾寺

見ごろ 6月上旬~7月中旬

大阪府箕面市勝尾寺/7010/拝観時間:8:00~17:00(最終受付16:30)、土曜は18:00まで(最終受付17:30)/閉館日:なし/入山料:大人(高校生以上)500円、小・中学生400円、未就学児100円、2歳以下無料/オタフクアジサイが赤・紫・青・白など色あざやかに咲き誇る。境内の至るところに置かれたダルマみくじや奉納棚に納められた勝ちダルマとともに見応えあり

咲くやこの花館 (鶴見区)

咲くやこの花館

見ごろ 5月下旬~6月中旬

大阪市鶴見区緑地公園2-163/055/6月に見ごろの花:公式HPで開花情報発信中/営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)/休館日:月曜(休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月28日~1月4日)/入場料:大人500円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上は無料(要証明書提示)

藤森神社 (京都市)

藤森神社

見ごろ 6月半ば 紫陽花まつり 6月15日ごろ

京都市伏見区深草鳥居崎町609/5/拝観時間:9:00~17:00/休館日:なし/拝観料:大人500円、小学生以下無料

長谷寺 (奈良県)

長谷寺

見ごろ 6月半ば 紫陽花回廊 7月6日まで

奈良県桜井市初瀬731-1/0744(47)7001/拝観時間:8:30~17:00/休館日:なし/拝観料:大人500円(中高生)、小人250円

アジサイの花の色はなぜ違う?

 アジサイの花色は、土壌のpH(酸性度)によって変化します。これは、土中のアルミニウムがアントシアニンという色素と結合することで色が変化するためです。
 白いアジサイはアントシアニンを持たないため、土壌のpHに関係なく色が変わりません。
 また、卵の殻を砕いて土に混ぜることで、土壌をアルカリ性に傾け、花色をピンクや赤に変えることが可能です。

栽培の仕方は?

 アジサイは、毎年たくさんの花を咲かせてくれる人気の庭木。その美しさをもっと楽しみたいなら、「挿し木」で株を増やすのがおすすめです。今回は、園芸のプロ長谷波さんに、紫陽花の挿し木のポイントを伺いました。

挿し木で増やす方法

 挿し木とは、植物の茎や枝を切り取り、土に挿して発根させる繁殖方法です。アジサイはこの方法がとても適していて、比較的簡単に増やすことができます。
 「アジサイの挿し木に適しているのは、梅雨の時期。6月中旬から7月上旬が理想です。湿度が高く、発根に適した環境が整っています」と長谷波さん。

挿し木に使う道具と材料

●清潔な剪定ばさみ
●小型のスコップ
●鉢や育苗ポット(5号程度)
●挿し木用の土(または赤玉土:小粒と鹿沼土を混ぜたもの)
●発根促進剤(ルートンなど・あればなお良し)
●透明なビニール袋やプラスチックケース(乾燥防止用)

挿し木の手順

①元気な枝を選ぶ
 今年伸びた新しい枝の中から、
花が咲いていないもの、または咲き終わった枝を選びます。長さは10~15㌢程度にカットしましょう。

②下葉を取り除く
 葉は上部に2枚だけ残し、下の葉はすべて取り除きます。葉が大きい場合は、蒸散を抑えるために半分に切るとよいでしょう。

③切り口の処理
 切り口はななめにカットし、水に30分ほどつけて吸水させます。発根促進剤を使う場合は、このタイミングで切り口に軽くまぶします。

④土に挿す
 鉢やポットに用土を入れ、湿らせたら、枝を2~3㌢程度差し込みます。数本挿しておくと、成功率が上がります。

⑤湿度管理をする
 透明なビニール袋やケースで覆って、乾燥を防ぎます。直射日光を避けた明るい日陰で管理しましょう。

■発根後のケア

 2~3週間で根が出はじめます。軽く引いてみて抵抗があれば、発根成功のサイン。しっかり根付いたら、少しずつ日光に慣らし、1~2カ月後を目安に庭や大きな鉢へ植え替えます。

(株)大阪植物園の長谷波靖史さん
造園職人として25年の経験を持つ園芸のプロ。東京農業大学農学部造園学科を卒業後、本格的に造園の道へ進む。現在は、1級造園施工管理技士および2級土木施工管理技士の資格を有し、都市の緑化から個人庭園の設計・施工まで幅広く手がけている。趣味は菜園、養蜂、養鶏、藍染、料理と多彩。自ら育てた作物や素材を使った料理を楽しみ自給自足の生活を送っている。

(株)大阪植物園の長谷波靖史さん