葉物野菜の高値、10月も続く 産地バトン途絶え工場野菜へ

レタス前年の3倍、工場野菜は安定

 長雨などの影響で葉物野菜の高値が続いている。大阪市中央卸売市場では9月下旬のレタス卸値が前年比3倍超に。産地の収穫リレーが途切れたことが要因で、天候に左右されない工場野菜を代替案とする動きも出ている。

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 長雨などの影響で、葉物野菜の高値が続いている。大阪市中央卸売市場本場では、9月24~29日の平均卸売価格が、レタスで前年同時期の約3倍、白菜で約5割、キャベツで約4割上回った(同市場の公表資料を基に本紙集計)。鍋物などで葉物を使う機会が増える季節を前に、千林のスーパー「ニューマルシェ」の青果部部長、宮崎浩史さんに、高値の理由と今後を聞いた。 (西山美沙希)

産地の〝バトン〟に空白 工場野菜も選択肢に

相次ぐ長雨、日照不足

 宮崎さんが鍵として挙げるのが、産地の〝バトン〟だ。野菜は、南北に長い日本の気候差によって、地域ごとに収穫期が異なる。ある産地の収穫が終わるころ、別の産地が収穫期を迎え、バトンを渡すように出荷を引き継ぐ。こうして季節ごとに産地が替わることで、一年を通じて売り場に届くという。
 今回は9月の長雨や日照不足で、信州の葉物の生育や出荷に影響が出た。次を担う関東の産地でも、日照不足による生育の遅れに加え、大雨で畑が被害を受けたという。出荷中の産地と次を担う産地の双方が打撃を受け、供給の回復に時間がかかっていると宮崎さんは説明する。
 農林水産省も9月30日、東京都中央卸売市場向けの10月見通しで、レタスは長野県産中心から茨城県産中心へ切り替わる時期に、両県で生育に影響が出ているとした。
 「キャベツ、白菜は今日(取材日は10月1日)も仕入れ値が上がっている。九州の産地では生育が順調とも聞くが、届くまでには時間かかる。10月は高値が続きそうだ。年末に向けて生産者も立て直しを急いでおり、私たちも回復に期待している」と宮崎さん。ただ、今後の天候によって状況は変わる。

工場野菜を手にする青果部部長の宮崎浩史さん。向かって右は、大阪公立大学中百舌鳥キャンパス内で生産されたフリルレタス=ニューマルシェ(大阪市旭区)

高値を乗り切る選択肢

 一方、野菜すべてが高くなるわけではない。農水省の東京都中央卸売市場向け10月見通しでは、ジャガイモとタマネギの卸売価格は平年を下回り、ニンジンやネギなどは平年並みとなる見込みだ。買いやすい野菜に合わせて献立を考えるのも一つの手だ。
 このほか、宮崎さんは、価格が比較的安定した野菜として、施設内で育つもやしやキノコ類のほか、葉物では「工場野菜」を挙げる。
 工場野菜は温度や光を管理して栽培するため、天候の影響を受けにくい。同店ではフリルレタスなどを扱い、中には大阪公立大学中百舌鳥キャンパス内の植物工場で生産されたものもある。
 宮崎さんは「衛生面も含めて安心できる商品を選び、約10年前から販売している。露地物が安いときは割高になるが、天候に左右されにくく、品質や仕入れ価格が安定している。毎日の食卓の選択肢の一つとして、目を向けてもらえたら」と話した。

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