要介護の高齢者や障害者、性的マイノリティーらがモデルを務めるファッションショー「ユニバーサル カワイイ」が5月3日、大阪市北区のハービスホールで開かれた。SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに、緑・オレンジ・ピンクの衣装をまとった参加者がランウェーを歩き、来場者約660人が温かい拍手を送った。

イベントでは、第16代R-1グランプリ王者の濱田祐太郎さんによるお笑いライブや、片手で装着できるアクセサリー、見せる補聴器など介護にまつわる商品の展示、障害や介護をテーマにしたトークショーも行われた。

主催は訪問看護や老人ホーム紹介業、商品開発、講演セミナーを行う一般社団法人「カワイク介護」。代表の楠本あやさんは、育児と介護を同時に担う「ダブルケア」のシングルマザー。介護の日常にも楽しさが必要だと感じ、「気分が上がるかわいい商品」の企画・開発に取り組んでいる。同法人は2022年に兵庫県芦屋市で設立。楠本さんは祖母を介護しながら昨年、芦屋市で初の要介護者らによるファッションショーを開催した。
今回はSDGsの理念に沿い、「すべての人に健康と福祉を」(緑)、「ジェンダー平等を実現しよう」(オレンジ)、「人や国の不平等をなくそう」(ピンク)を、プロによるメークや衣装、ヘアスタイルで表現。武庫川女子大学や高津理容美容専門学校の学生らがアシスタントとして参加した。
楠本さんは「出演者が介護や障害、LGBTQの当事者であることはあえて事前に説明しませんでした。ただ『かわいい』『かっこいい』と感じてもらえたらうれしい」と語った。