全員60歳超スタッフの喫茶店 〝いつでもモーニング〟が人気 門真市シルバー人材センター運営「喫茶チエブクロー」

 京阪「古川橋」駅から少し離れた住宅街にスタッフ全員が60歳を越える、異色の喫茶店がある。門真市シルバー人材センターが運営する「喫茶 チエブクロー」だ。

スタッフは全員「シルバー会員」

 同店のスタッフは全員が「シルバー会員」だが、地域の喫茶店として誰でも気軽に利用することができる。一番の人気メニューは「いつでもモーニング」。かつては午前11時半までの提供だったモーニングを「いつでも」注文可能にした。「ランチを食べきれない人も多いから、とみんなで考えました」とスタッフの浅尾さんは笑顔を見せる。

 同店では、地域の特産品「門真れんこん」を使った新メニューの開発にも取り組んでいる。「門真れんこんピラフ」は、厚さ約5センチに切られたれんこんがインパクト抜群。「れんこんが薄かったら食べた気にならんでしょ!」と浅尾さんは快活に笑う。

門真れんこんピラフ(スープ付き)550円

 また、同店は地域住民の「コミュニティー」としての役割も担う。物価高の影響で近隣の喫茶店は閉店が相次ぎ、なじみの店に代わる「新しい居場所」として訪れる人も増えたそう。「スタッフであるシルバー会員や他の常連客とおしゃべりするのが楽しみ」と通う人も多い。「最近見かけへんかったけど体調崩してたん?」と安否を確かめ合い、一人で来店しても必ず誰かが気にかけ、声をかけてくれる。

喫茶 チエブクロー

 午後3時以降はレンタルスペースとして貸し出し、会議や打ち合わせ、ワークショップの開催などに使用できる、新たな試みもスタートさせる。単に飲食をする場にとどまらず、孤立を防ぐ「街のインフラ」として、同店のような喫茶店は重要な役割を果たしているといえるだろう。

■喫茶 チエブクロー/門真市速見町2−22/電話06(6991)9785/8:00〜15:00/日曜・祝日定休