ドイツパビリオンの人気レストラン、来春大阪・難波に出店 本格ドイツ料理を日本で再現

 大阪・関西万博のドイツパビリオン内にあるレストラン「Oishii Germany(オイシイ・ジャーマニー)」は、連日長蛇の列ができるほどの人気を誇る。その盛況ぶりは、運営元であるドイツ側の期待をも遥かに上回るものだったという。

 この成功を受け、同店を運営する「78degree(セブンティエイト・ディグリー)」は、来年春に大阪で新たにレストラン「Oishii Germany」をオープンする計画を進めている。
 今回、本紙は同社のトップであるセバスティアン・フォン・ランズベルクーウェーレンさんに、万博での手応えや新店舗への思いを聞いた。

 ランズベルクーウェーレンさんによると、3カ月ほど前から大阪でレストランをオープンしてはどうか、という話があり、現在不動産業者を介して実際にオープンさせる店舗の場所を物色中とのこと。
 オープンは、来年4月から6月頃を予定していて、場所は難波エリアになるだろうということだった。まだ何も正式には決まっていないが、話は進んでいるので順調に行けば来年の春には「Oishii Germany」で食べたような本格ドイツ料理がまた楽しめることになる。

 大阪に店舗を出すというニュースが配信されてから、最初のメディア取材だったこともあり、新店舗に関してはまだ未定の部分も多々あることもわかった。

 ドイツパビリオンにある同店は、160席もあるかなり大箱のレストランだが、連日満員で、入店を待つ来店客が朝から列をなしているほどの人気ぶり。また、利用客の若者から高齢者まで多くの人から、「大阪にレストランを出さないのか?」という問い合わせが多数あったことも出店を考えるヒントになっている。この利用者の声も出店を決めた理由の一つだということなので同店の料理が気に入った人が相当多くいたようだ。本格的なドイツ料理を食べられるレストランが大阪にないことも出店を後押ししているとも。

 既存のドイツレストランと組むのではなく、パビリオンで運営しているレストランをそのまま展開する予定で、店舗のコンセプトは変えず、ドイツパビリオン内の「Oishii Germany」と同じように明るい店内で自然光を取り入れる作りを想定しているとか。
 不動産物件を探しつつも、すでに建築家にデザインを頼んで検討してもらっているそうだ。

 新規に大阪で出店する店舗の名前はもちろん「Oishii Germany」で、ドイツに本社がある78degreeが2024年1月に日本法人を登録してパビリオン内のレストランを運営しているので、その流れで新店舗の運営も担っていく予定だ。
 新店舗では、オープン当初はドイツからシェフを呼んで、そのシェフが日本に滞在している間に日本人シェフに本格的ドイツ料理を覚えてもらい、その後は日本人シェフを中心に料理することになるようだが、この辺りはまだはっきりとは決まっていないとのこと。

 現状言えるのは、レシピと一部食材はドイツから持ち込むが、ほとんどの食材は日本国内で調達し、本格的なドイツ料理を提供すること。そのメニューは万博での売れ筋を見極めて詰めていき決定する予定で、万博で提供しているメニューと同じものもあれば、違うものを提供することもあるという。もしかしたら日本食の要素を取り入れたフュージョン料理もメニューに含まれるかもしれないし、ドイツビールに加えて日本酒も提供する可能性もあるかも。

 実は日本食とドイツ料理の両方に共通していることに発酵食品があり、その親和性は生かせそうだ。またドイツでは豚肉がポピュラーなのでメニューの中心は万博内で人気のニュルンベルク風ソーセージに含まれる焼きソーセージや別メニューの白ソーセージなど、ソーセージが中心になりそう。

 気になる値段は、様々な要素が絡んでくるのではっきりとは言えないが、万博会場内の価格よりは抑え目になるのではないかとのことだった。
 ちなみに万博会場内での価格は、過去の万博などと比較すると特別高いものではなく、大体このくらいが相場といえるそうだ。

 最後に、新しいレストランに来る利用者に向けてコメントをお願いすると、「どんな人にも来て欲ほしい。日本人だけでなく、東南アジアからの人や、ヨーロッパからの人も。ドイツ人でも暫く日本に滞在している人もいるだろうから、そういう人にもきてもらいたい。こんな人にきてもらいたい、というくくりはなく、誰でもきて楽しんでほしい」というコメントをしてくれた。

 「Oishii Germanyを大阪に紹介して、長期にわたって愛されるレストランになって、本格的なドイツ料理を提供していくことを目指している」と締めくくってくれた。

セバスティアン・フォン・ランズベルクーウェーレンさん(左)

 期待通りであれば、新しくオープンする店舗は、万博会場内の国際的な雰囲気を残した形で運営されるので、本格的なドイツ料理を楽しめるだけでなく、万博での楽しい思い出や雰囲気も提供してくれるかなり魅力的なレストランになりそう。

 実際に同店で提供している「ニュルンベルク風ソーセージ」に含まれる焼きソーセージや別メニューの白ソーセージなどを食べてみたが、普段食べているようなソーセージとは全く別物で、「こんなにおいしいソーセージもあるんだ!」とビックリ。デザートに出てきた「チューリンゲン風りんご」というりんごの天ぷらや同館マスコットキャラクター「サーキュラー」を形どったパンナコッタもクセになりそうで、ドイツ料理を堪能した。

焼きソーセージが入った「ニュルンベルク風ソーセージ」
白ソーセージ

 同行していた同僚記者と二人であっという間にデザートまで5皿を食べ尽くしてしまったことを付け加えておく。

 同店が来春、難波エリアにオープンしたらきっと連日大人気になるだろう様子が今から目に浮かぶ。

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