塩野義製薬は10月29日、2027年3月期第2四半期(中間期)の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上収益は前年同期比64・5%増の3504億円、営業利益は55・8%増の1152億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は44・0%増の1195億円となり、大幅な増収増益となった。売上収益と営業利益は中間期として過去最高を更新した。
業績をけん引したのは、海外事業とロイヤリティー収入の伸長だ。海外子会社・輸出の売上収益は前年同期比210・2%増の950億円。2026年4月に田辺ファーマからエダラボン事業を引き継いだことで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA(ラジカヴァ)」の売上収益が計上された。また、抗菌薬「Fetroja(フェトロージャ)」など、欧米での販売も拡大した。
ロイヤリティー収入は27・9%増の1654億円。このうち、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)関連は18・0%増の1485億円となった。これは、英国の製薬会社GSKなどが出資するViiV社のHIV治療薬の販売拡大に伴い、同社が受け取る使用料が増えたことなどによる。国内では、鳥居薬品関連製品やALS治療薬「ラジカット」の売り上げに加え、不眠症治療薬「クービビック」の処方拡大も寄与した。
こうした事業の好調を受け、同社は2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。売上収益は従来予想から200億円増の7200億円、営業利益は100億円増の2300億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は25億円増の2125億円を見込む。
一方、中間利益の増加には、米国子会社で将来の税負担を軽減する効果のある資産を計上したことも影響している。
株主還元も拡充する。年間配当予想は従来の1株当たり76円から86円に引き上げた。前期実績から15円増となり、中間配当は40円、期末配当は46円を予定する。実現すれば15期連続の増配となる。
さらに、希少疾患領域の事業拡大に向け、米国のバイオ医薬品企業IntraBio(イントラバイオ)の買収を進めている。買収完了後には、ニーマン・ピック病C型や毛細血管拡張性運動失調症の治療薬「AQNEURSA」の販売を予定。米国に加え、欧州でも事業基盤の構築を目指す。
