大阪の中小企業、賃上げ57% 平均3・14%は上昇

 大阪シティ信用金庫が実施した調査で、大阪府内の中小企業における2026年の賃上げ動向がまとまった。賃上げを実施する企業は57・3%で、前年比1・4ポイント減と5年ぶりに低下した。一方、平均賃上げ率は3・14%と0・07ポイント上昇し、2年ぶりに前年を上回った。物価高や人手不足が続く中、企業の対応は分かれる結果となった。

 調査は同金庫の取引先企業1,160社を対象に実施し、1,010社から回答を得た。賃上げを実施した企業の割合は減少したものの、据え置きは41・5%で2年ぶりに増加。賃上げを見送る企業も一定数あることが浮き彫りとなった。

 賃上げ率をみると、実施企業ベースの平均は3・14%。賃上げをしない企業を含めた全体平均でも1・77%と、2012年以降15年連続でプラスを維持した。業種別では建設業が3・58%と最も高かった。

 賃上げの理由は、〝業績見通しを先取り〟が77・0%で最多。〝業績向上・回復を反映〟(55・1%)や〝雇用維持・士気高揚〟(27・8%)が続き、将来の成長を見据えた人材投資の側面が強い。一方、賃上げしない理由は〝景気の先行きが不透明〟が62・5%で最多となり、企業の慎重姿勢も目立った。

 また、景気や業績が改善した場合に一時金支給などで賃金を増やす意向がある企業は87・2%に上り、多くの企業が状況次第で賃上げに前向きであることが分かった。

 賃上げ率の決定基準は〝自社業績しだい〟が66・3%と最多で、前年より増加。賃金水準の見直しは各社の業績を重視する傾向が強まっている。

 課題として浮かび上がったのが価格転嫁の遅れだ。コスト上昇分を販売価格に反映する動きについて、「一部しかできていない」が63・1%、「ほとんどできていない」が10・3%で、計73・4%に達した。賃上げの原資確保には、取引価格への転嫁が不可欠とみられる。

 今後の見通しでは、〝大幅に引き上げ〟と〝やや引き上げ〟を合わせて82・8%に達し、多くの企業が賃金水準の引き上げ継続に意欲を示した。賃上げに必要な支援としては、価格転嫁支援(64・4%)、税制優遇(58・4%)、補助金・助成金(49・7%)などが挙げられ、中小企業の収益力強化に向けた政策支援の重要性が改めて示された。

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