国土交通省が2026年の公示地価を発表。商業地の最高価格で、長らく首位をキープしていたグランフロント大阪南館が2位に陥落。果たして1位は?

ミナミ、キタ抜き首位奪還
都心の地価上昇が全方位へ


大阪府公示地価
国土交通省は3月17日、2026年の公示地価を発表した。大阪府内の地価は、住宅地が5年連続、商業地が4年連続で上昇し、勢いを増している。今回の公示地価から見えてきたのは、インバウンドの復活による「ミナミ」の王座奪還と、都心部の高騰が周辺部へと波及するダイナミックな動きだ。


勢いづくミナミ
商業地の府内最高価格地点は大きく順位変動が起きた。道頓堀の戎橋そばにある「デカ戎橋ビル」が1平方㍍あたり2500万円を付け、キタの「グランフロント大阪南館」を抑えて6年ぶりに1位に返り咲いた。
2021年からグランフロント大阪南館が首位を維持してきたが、コロナ禍明けの旺盛なインバウンド需要と店舗需要の回復で、再びミナミがトップの座を奪い返した形だ。大阪市区別の上昇率でもミナミの中央区と浪速区が共に15.5%(市平均12.7%)でトップ。また、道頓堀の「新世界串カツいっとく道頓堀戎橋店」の地点が全国の商業地上昇率でも8位(25%)になるなど、ミナミの勢いが鮮明になっている。

都心の熱狂が周辺へ
地価上昇の波は都心部だけに留まらない。大阪市中心部でのマンション用地やオフィス用地の価格高騰を受け、周辺区や北摂、堺市へと需要が広がっている。
住宅地上昇率の1、2位は大阪市の北区紅梅町と浪速区桜川(いずれも10.9%)となったが、3位に城東区中央(10.9%)、7位に都島区中野町(9.8%)、8〜10位は淀川区と東淀川区が占めるなど、都心に近い居住エリアが極めて高い伸びを見せている。
高騰する大阪都心部の住宅地上昇は大阪市外にも波及。大阪市を除いた府平均は上昇率2.0%の中、北大阪地域の吹田、豊中、茨木、高槻、摂津、箕面がいずれも2.9%以上の上昇。京阪沿線では守口が5.4%、寝屋川(2.6%)、門真(2.4%)も府平均を上回った。泉州地域でも堺市が3.9%と利便性の高い周辺地域の上昇が顕著だ。

大阪公立大開設で注目の「ヒガシ」
キタ・ミナミの二大拠点に続き、今後の大阪を占う上で欠かせないのが「ヒガシ」と「ニシ」の動向だ。
ヒガシでは、大阪公立大の森之宮新キャンパスが昨年9月に開設。28年春には地下鉄中央線森之宮駅の北に新駅の設置も控える。新キャンパスのある城東区をはじめ、隣接する都島区や東成区、鶴見区の住宅地が前年比8%以上上昇するなど学生・教職員の居住需要や、駅周辺の再開発への期待感が地価を押し上げている。
未来描く「ニシ」
万博後の夢洲で2030年秋ごろに「大阪IR(統合型リゾート)」の開業を控えるなどの「ニシ」でも地価の底上げが続く。
西区は住宅地上昇率で浪速区に次ぐ府内2位(10.5%)に食い込み、商業地も15.3%上昇する爆発的な伸びを見せている。
ベイエリアでは万博開催に伴うインフラ整備に加え、将来的な大阪IR開業による観光・ビジネス需要の拡大を見越した投資が継続。此花区や港区も堅調な推移を見せている。
大阪の地価は「中心部の高騰」から「全方位への拡大」という新たなフェーズに入ったようだ。
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