毎年8月8日に所属の吉本興業本拠地・なんばグランド花月(NGK)で独演会を開いている上方落語家、桂文珍(76)がNGKで記者会見し、43年連続となる今年の概要を披露した。

伝統的古典と時代を取り入れた自作新作の二刀流で活動しているだけに今年の演目は、古典から江戸落語・桂三木助(三代目、1961年、58歳で死去)の得意ネタ〝芝浜〟を収めたLPレコードのB面に入っていたという「雑穀八(ざこはち)」と、名作〝東の旅〟から「七度狐(しちどぎつね)」の2作。文珍は「雑穀八は米屋を再興する噺。今は米不足と高値が話題なのでそうした世相も取り入れて。七度狐はキツネが7回化かすところまでやる方が少ないので後半早足でそこまで行きます」と張り切る。
新作はまだ完成していないが「和歌山からパンダがおらんようになる。2頭のメスを相手に16頭のお父さんとなった永明は中国に戻ったらすぐ亡くなった。この永明の眼点から書くつもり」と予告。文珍は「日本で一番おもしろい落語家は桂文珍です!」と言い放ったが「誇大広告にならんように」と足元から通販番組でお約束の『個人の意見です』と書かれたボードを取り出しニヤリ。

ゲストは長寿番組「笑点」の大喜利メンバー春風亭一之輔(47)。
開催中の大阪・関西万博にちなんだPR写真を演出。その万博について感想を聞かれ、吉本興業のパビリオン「よしもと waraii myraii館」に触れ「カラオケ大会や盆踊りやってるパビリオンは他におまへん。


待たずに入れるしね。来場者がなかなか歌ったり、踊ったりしないから、若手の吉本社員が踊っている。お隣がパソナのパビリオン。〝そっちにそのまま流れて行く〟っていうのが今、社内で一番のギャグ」と持ち前の毒気を含んだユーモアで印象を語った。
(畑山 博史)