東京吉本から逆流入の千葉公平 大阪で人気沸騰

 東京吉本から初の逆流入タレントとして大阪で人気急上昇の吉本新喜劇・千葉公平(48)が、大阪市のなんばグランド花月(NGK)で初の主催公演「千葉ちゃんと新喜劇ver.弐」を開催。オープニングでは約15分の独りコントで満員の観席を大爆笑させるなど、人気通りの実力を示した。

長身を生かして千葉(右)は、小柄なボケ役女優岡田直子(中央)と絡んで笑いを取る

 千葉は2020年に東京吉本所属のお笑いコンビ「ギンナナ」解散を機に同社所属芸人として初の大阪への逆流入を敢行。芸名も出身地の「千葉」と、本名・金成公信から1字取り「公」、新喜劇入りを誘ってくれた後のGM間寛平の「平」をもらい吉本新喜劇入り。当初は「新喜劇に東京弁はイラん!」と古いファンからの厳しい声もあったが、次第に持ち前の素早いアドリブ的ボケと臨機応変なノリツッコミ技で頭角を現した。

 新喜劇座員総選挙で一昨年ベスト10入り、昨年は一気に2位躍進し、ご褒美で昨秋初主催の冠公演は狭いYESTHEATERとあって即完売。晴れて広い〝笑いの殿堂NGK〟での初開催にこぎ着けた。

吉本新喜劇のベテラン島田一の介(右から2人目)や吉田裕座長(左から2人目)らが出演し、千葉(右端)をもり立てた

 殺し屋から足を洗い、うどん屋で働くゴルゴ13風の男を演じた千葉。終演後は「最初の独りコントでカミまくって〝どうなることか?〟と不安でいっぱいだったんですが、新喜劇は皆がいれば何とかなるもの。ありがたいです」とホッとした表情。4月に結婚発表後、NGKで初共演した新喜劇マドンナの妻・鮫島幸恵(34)は10月に第1子出産予定で「いえいえ、良かったですよ。おなかの赤ちゃんが本番中もドンドン私を蹴っていました。もう音も聞こえているらしいのでパパの頑張っている声も届いたと思います」と話すと千葉は「じゃあ、スベってたのも聞かれてたってこと? 参ったな~」と初の〝親子3人共演〟に照れくさそう。

フィナーレでは、出演者全員が舞台に勢揃いしてご挨拶。中央が主催の千葉公平

 東西の違いはあるが、同じ1997年お笑いコンビでプロデビュー同期の同志・すっちー座長(52)は「舞台の相手役はもちろん、相談にも乗ってくれてホンマに頼りになる存在。鮫ちゃんとの仲を、内場(勝則・元座長)さんと(未知)やすえ姉さん夫婦みたいに、既にお客さんが認めてくれている。コレはすごい」と珍しく真面目な表情で説明。

 東京では中堅位置だったが、新喜劇での最初の1年間は新人のつもりで修業し直した。楽屋掃除や後片付け、舞台袖でも立ったままで後輩の芝居を勉強するなど背水の陣で努力を重ねた。住まいも大阪市西成区内の古民家を安く借り、毎日自転車通勤で楽屋入りした。

終演後の記者会見では身重の新妻・鮫島幸恵(右)と同期生のすっちー座長(左)と共にポーズを取る千葉公平(中央)

 「こんなに関西の皆さんに受け入れてもらえるとは思ってもみなかった。お笑いコンビ2つが解散でも諦めず、思い切って大阪に来て良かった。東京で日々頑張っている後輩たちに〝こんな道もあるんだよ〟って示せました。でも本音としては〝こんな事なら、もっと早く来ときゃよかったなぁ〟って感じてます」と、人気と家族の公私〝両手に花〟を実感しながら、笑顔で締めくくった。

(畑山博史)