北斎が「北斎」だった時代に注目 あべのハルカス美術館で来年5月から展覧会

 来年5月から約3カ月間の予定で大阪・あべのハルカス美術館で開幕する『HOKUSAI~北斎が「北斎」だった時代』展の概要発表会見が行われ、展示作品の一部などが公開された。
 北斎と言えば「富嶽三十六景」が最も有名で、同美術館でも2017年に展覧会を行い連日多くの来場者が詰めかけた。

展覧会ポスターと浅野館長(左)と藤村課長

 藤村忠範・同館学芸課長の説明では「『富嶽三十六景』は北斎が70歳を超えてから発表され、『北斎漫画』も55歳頃から90歳で没するまで書き続けたいわば晩年の作。北斎が初めて〝北斎〟を名乗ったのは37歳の時で、そこからおなじみの〝葛飾北斎〟となったのが40代半ばから54歳まで。今回はこの働き盛りの時期の北斎にスポットを当てた」という。

展示予定の「朝鮮出兵図屏風」

 30回以上改名し、90回も引っ越しした、と伝えられる北斎。今回は度々画号を変えた彼が「北斎」と名乗り始めた青年期から壮年期に着目。浅野秀剛館長によると「北斎が自分のスタイルを確立し一流になった時期。美人・名所・芝居を題材にした1枚物版画も数多く手掛け、肉筆画にも精力的に取り組んでいる。この時期の北斎は西洋風版画技法も取り入れてもがき、美人画も独特の色気がある。いわば北斎が北斎らしさを発揮し始めた時期といえる」と話す。

詳細を説明する浅野館長(左)と藤村課長

 版画はもちろん本の状態の版本、煙草(たばこ)盆に加工された摺物主板なども公開。また木版画は初版に近いほど細部の細かい技法までが見る人に伝わることから、できるだけ初版に近い物を求めて国内の個人蔵をはじめ内外の美術館40館以上から作品を貸与してもらい展示する予定。

「開帳の支度」と煙草盆に流用されている主板

 同館長は「前回の北斎展では来場者数が多く〝じっくり作品を見ることができない〟とのお叱りを頂いた。今回は作品入れ替え時期や展示法などもひと工夫し、満足してもらえるようにしたい」と話している。
(畑山 博史)

タイトルとURLをコピーしました