演歌歌手、美貴じゅん子(52)は昨年デビュー30周年迎えるも、実は途中15年間歌の世界を離れ、再デビューからは未だ丸5年。2021年に「土下座」でカムバックし、今春の新曲「弓張月の恋」でCDシングル6作目になった。2年ぶりに来阪した彼女に話しを聞いた。

久しぶりにあって驚いたのはいぃ顔付きになりプロ歌手としての責任と誇りが顔に出ていたこと。そう話すと素直に喜び「ありがとうございます。細川たかし一門に加えて頂き、師匠のプロとしての姿を間近にして日々勉強ですから」と口元を引き締めた。親子ほど年の離れたきょうだい弟子、彩青(23)や田中あいみ(26)、楠木康平(24)とも仲良く切磋琢磨し、自信を取り戻したようだ。性格は真面目でストイック。毎月延べ100㌔をジムトレで走破しトレーニングに余念がない。「こうして東京を離れても、朝は宿泊先でジョギングします」と言う。ステージでも日々反省を忘れない。「性格なんでしょうね。歌の主人公を正確に表現して伝えようとして満足いかないと寝るまで尾を引いてしまう」という。


今度の新曲は「弓張月の恋」と「花盗人」で、どちらも作詞・田久保真見、作曲・徳久広司。内容も、クールな男性に恋した切ない女心を歌う演歌定番。しかし美貴によると「弓張月は歌詞が怖い。詞を見て引きました。果てしなく闇夜に消えていく恋のイメージ。私は絶対ワルツ調で明るい『花盗人』がA面だと思った」と言う。
それでも自身で考えて「弓張月を1年間歌わせて下さい」と申し出たのは美貴自身。キーにもこだわった。美貴は高音部がきれいで得意だが、この曲は全体に低くて暗い。「半音上げて頂けませんか?」と徳久に相談。「この歌の世界観はこのままの音程で」と諭された。
「前奏からこの曲の怖い世界観に持って行くのが大変。前の曲が明るいとガラッとイメージを変える必要性があるので。今はそれが楽しいです。スケールの大きさを感じて下さい」とPR。その言葉をジッと相手の目を見て語り掛けてくる。その表情から、異色の31年生の中身は歌うのがうれしくてしょうがない6年生そのものの初々しさが伝わってきた。
(畑山 博史)
