桂文枝独演会決定 83歳のハレ舞台

 毎年誕生日夜に大阪・なんばグランド花月で独演会を開催している六代桂文枝。昨年末で落語家生活60年目の節目を迎えた今回も83歳となる7月16日「桂文枝独演会~落語家60年目のハレ舞台~」を行う事になり意気込みを語った。

60周年の思いを語る文枝

 用意された高座に上がった文枝は今年のプランについて「60年を20年ごとに区切り、最近余り舞台で掛けていない創作落語3席をやります」と自身の代名詞へのこだわりを明かした。演目はまず入門の23歳から20周年までに作った「にぎやか寿司」、43~62歳で作った「じいちゃんポスト」、そして63歳から現在までの間に作った「AIから始まる」を予定。「AIから始まる」は、生成AIのGoogle Geminiと掛け合いで作ったそうで、このほど大阪大学で認知症チェックを受け「あと10年は大丈夫」と太鼓判を押された頭の柔軟さを証明した一席。「60年の階段を上ってきた集大成を満83歳でお披露目したい。7月までは生きていると思うので、健康に注意して頑張っていきたい」と決意。

なんばグランド花月の巨大スクリーンをバックに話す文枝

 ゲストは先日45年ぶり2度目の「上方漫才大賞」を受けた「ザ・ぼんち」に直ぐ連絡を入れ即決。「テレビや舞台でずっと一緒に仕事をしてきた仲、共に長年頑張って来たので」と思いを吐露。

「いらっしゃい」ポーズを取る文枝

 師匠の5代目桂文枝の名を継いで既に12年。亡き妻に襲名を強く反対された事を紹介しながら「文枝の名をそのまま空けておくのはもったいない、と思った。落語は奥が深くやってもやっても難しい。まだまだ理想の落語家に近づけていない」と表情を引き締めた。

桂文枝独演会のポスター

 自身より年上の噺家は東西で数えるほどになったが、長く上方落語協会長を務め次世代育成に目配りを絶やさない。「『よしもとピン芸人倶楽部シアター』公演を立ち上げ落語家にも入ってもらいました。落語だけじゃなく、司会もできて、いろんなバラエティにも出て、落語会にお客さんをたくさん呼べるような芸人を送り出したい」と意欲を見せた。自身の出世名・三枝を継がせたい弟子の名を問われ「ぜひ継いでほしい。何人か候補はいるんですが、大きな賞を取ったりとかの良きタイミングがあれば…。まだまだもっと頑張ってもらわないと」と、孫弟子まで含めると20数人を数える自身の一門の顔ぶれを思いやった。

(畑山 博史)

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