原油価格の高騰や中東情勢を巡る供給不安が続く中、車両維持コストの削減策として、エンジンオイルに混ぜて使うオイル強化添加剤「万象」を販売する大阪市西区の「河部」が注目を集めている。
同添加剤を使用した警察車両の走行約20万㌔後のエンジンオイルを、世界最大級の検査・認証機関SGS(本部・スイス)が分析した結果、長期使用後もオイルの潤滑性能が維持されている可能性が確認された。
分析は、「万象」の製造元である千葉グリーンエナジー(東京都)が依頼。実際に走行した警察車両の使用済みオイルを対象に、エンジン内部の摩耗傾向を示す鉄・銅・クロムなどの摩耗金属量、スラッジ(エンジン内部に蓄積する汚泥状の物質)の指標となる不溶解分、潤滑性能に関わるカルシウム・リン・亜鉛などの添加剤成分を調査した。その結果、主要摩耗金属の数値は比較的安定しており、不溶解分も低水準。潤滑成分も一定量残存していることが確認された。
国内では従来、「3000〜5000㌔ごとにオイルを交換する」という管理方法が一般的とされてきた。しかし近年は原油高や物流コスト上昇を背景にオイル価格も値上がりが続いており、特に年間走行距離が長い物流業界や営業車両を抱える企業では、維持費の増加が経営課題となっている。
例えば1回8000円のオイル交換を年6回行うと、1台当たり年間4万8000円。10台を運用する法人では年間48万円、50台規模では240万円を超える計算になる。オイル代や工賃に加え、交換時の車両停止時間も負担となる。
河部では「万象」を単なるカー用品としてではなく、長期的な車両維持コスト対策として提案。「今回の分析結果は、交換回数を前提とした従来の管理方法を見直す一つのきっかけになり得る」としている。
ホルムズ海峡を巡る地政学リスクへの警戒が高まる中、石油関連製品の供給不安も広がっており、物流業界を中心にオイル交換のタイミングや頻度を見直す動きは今後さらに拡大しそうだ。

