演歌ファン多い関西に期待の新星! おもしろ新人歌手の里野鈴妹

学生時代からスズメちゃんのニックネームだった里野鈴妹

 「演歌ファンが多い」と言われる関西からまた1人楽しみな女性演歌歌手、里野鈴妹(24)が「バカ酒場」というインパクトのある題名のCDで9月にプロデビューした。昨年の日本クラウン新人オーディションで準グランプリを獲得。上位3人のうち最も早い1年余りでデビューした期待の星。早速話しを聞いた。

キャンペーンではマイク片手に常に笑顔の里野鈴妹

 兵庫県川西市の出身で県立川西明峰高を卒業しプロ歌手を目指しアルバイトしながらコンテスト受験を続けた。同高は元・純烈の俳優、小田井涼平(53)や元・ヤクルトスワローズ監督、古田敦也(59)の出身校として知られる。水を向けると「そうなんですよ! スターは私で3人目!」と明るく笑顔で返してきた。

 幼い頃から演歌歌手、水森かおり(51)の大ファンで後援会にも入っている筋金入りの演歌・歌謡曲好き。「大阪・新歌舞伎座での水森さんの座長公演をしょっちゅう見に行ってました。開演前にキップが残っているときは中高生割引の制度が当時あって、一番上の3階席で」と楽しそう。プロになって会える機会があり「幸せ過ぎて覚えてない」ほど感激したそう。

ラジオ大阪「hanashikaの時間」に出演。DJの笑福亭晃瓶㊨と近藤綾香㊧と共に笑顔の里野鈴妹

 ラジオ大阪の「hanashikaの時間」でDJの上方落語家・笑福亭晃瓶(64)に「念願の歌手になって、家族には何か買ってあげたの?」と問われ、即座に「お母さんには家、妹には車買うたる、って言いました」と返し一同大爆笑。同局で早速今秋から「いいね!イマうた」のレギュラー出演も本決まりとなった。

 〝さとの・すずめ〟とは何ともベタな芸名だが、由来は簡単。「私、本名がスズネなんです。で、もじって付いた学校時代のニックネームがスズメちゃん。え~と、チュンチュンよくしゃべることもあったんかな?」と自然なトークの中に上方漫才風ボケが入り、聴く者を飽きさせない。

 氷川きよし(47)や山内惠介(41)を育てた名伯楽の作曲家、水森英夫(74)のレッスンを1年間受けた。当然、デビューCDは2曲とも水森作品。大御所の指導にさぞ緊張したかと思いきや「私、いつも大声で歌っているつもりやったけど、センセイに〝君は蚊の鳴くような声だね〟と言われビックリ。発声の基本からやり直しました」といい、確かにガツンと来る中高音の張り方は水森門下共通の魅力でもある。「〝バカ酒場〟はメジャー調の男歌。センセイからは〝無理に作らず伸び伸びと〟と、カップリングの〝北吹雪〟はマイナー調でしっとりした女歌。私はこっちの方が好きです」とプロらしく真顔に。

CD「バカ酒場」(里野鈴妹)のジャケット

 まず自宅からも通える関西中心のキャンペーンからスタート。持ち歌は2曲しかないので、新人オーディションで歌った「羅生門」(坂本冬美)や芸名にちなんだ「酒場すずめ」(村上幸子)など結構難しい曲をカバーして加え、軽妙トークとの落差が新鮮に映る。

 衣装はスズメがたくさんちりばめられた着物と帯。今のところ、1着しかないので汚さないように気を付けながらあちこちを行ったり来たり。「食べ過ぎて体重増やさないように腹八分目に留めることが当面の目標」と誓った途端に「でも好きな言葉は〝おかわり〟なんで…」とまたトークにオチが付いて周りは笑顔。この明るさのまま、ぜひビッグになってほしいルーキーさんだ。

(畑山博史)