経済

左右別サイズの靴購入サービス ミズノの出向起業からスピンアウト

 片足だけ靴擦れしたり、指が痛んだりしたことはないだろうか。この悩みに応えるのがDIFF.(ディフ、大阪市北区)だ。片方ずつ購入できるシューズの販売サイトを運営している。

計測した情報を選手に渡す清水社長(右から2人目)
計測した情報を選手に渡す清水社長(右から2人目)

 取り扱うのはサッカーやランニングシューズ。ミズノ、アシックス、ナイキ、アディダスといった主要ブランドを揃えている。創業者の清水雄一氏がこのアイデアを着想したのは、学生時代のサッカー経験からだ。片足だけ内出血や靴擦れが起こることがあったが、痛みを我慢するしかなかったという。
 大学院を卒業後、ミズノ(同市住之江区)に入社しエンジニアとしてシューズ開発に携わる中で、同じ悩みを抱える人が多いことを改めて実感した。しかし、左右セットで設計・製造されるのが前提で、片方ずつ販売する仕組みはなかった。もし片足だけ販売すると、在庫が増えてしまうリスクがあり、さらに在庫管理が煩雑になるといった課題もあった。

足長、足幅だけではなく、つま先のタイプやヒールアングルなども測る
足長、足幅だけではなく、つま先のタイプやヒールアングルなども測る

20人に一人は5㍉以上の差

 そこで、この問題を解決すべく、新規プロジェクトとしてディフを立ち上げる。最初は出向起業という形でスタートし、その後スピンアウト。現在はスタートアップとして、より多くの人に「左右別サイズで選べる靴」を届ける挑戦を続けている。清水社長は「調査すると、約20人に一人は左右の足に5㍉以上の左右差を抱えていることが分かった。オーダーメイドに比べて安く、短納期で提供したい」と話す。
 サイズが分からない購入希望者に対して、ウェブサイトで詳しく説明しており、計測情報は保存することもできる。金額は、両足の場合、定価プラス3480円。片足のみの購入も可能。同社ではECサイトのほか、スポーツショップや展示会などに出展することもある。「異なるサイズを買うことが当たり前という文化を作っていきたい」(清水社長)。