100カ国以上に展開する世界最大級の私立教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(以下EF)は5月22日、伊東グロニング七菜氏が日本支社で初の女性社長に就任したことを発表した。

伊東社長は同日、大阪・関西万博の北欧パビリオンに登壇。就任後初のスピーチで「持続可能性を支えるのは“人の理解と行動”であり、その土台に教育がある」と、同社が目指す“教育とサステナビリティの接点”について来場者に訴えた。
同社は1965年にスウェーデンで創業。世界50都市に直営の語学学校を構え、欧州ではボルボやIKEAと並ぶスウェーデン発のグローバルブランドとして広く知られている。近年は日本でも社会人やシニア層の留学需要の高まりを受け、海外留学のトップブランドとしての認知拡大に力を入れている。
スピーチで伊東社長は自身の留学体験についても紹介。12歳の時に家族で米国に移住し、言葉の壁に苦しんだが、「授業中に発したジョークが笑いを呼び、初めての友人との出会いにつながった」と語った。「あの一言が、人生の転機となり世界が開けた」と振り返った。
また、過去に環境系のスタートアップ企業に勤めた経験にもふれ、「技術や製品がいかに優れていても、使う人の意識が伴わなければ社会は変わらない。“知らないものは守れない”からこそ、基盤としての教育が不可欠」と強調。サステナビリティ(持続可能性)と言えば、マイクロプラスチックやCO₂となどの物理的課題の印象が強いが、「それだけでは不十分。“共感力”や“多文化理解”も含めてこそ真のサステナビリティだ」と訴えた。
海外留学ニーズは中高生や大学生などの若者が中心だが、近年は50代以上のシニア留学も増加。「語学留学は大人にとっても新しい自分に出会う『再出発の旅』。今後も“人生の転機”を届けていきたい」と語った。
