ナスカの地上絵や黄金の秘宝、マチュピチュからセビーチェまで 赤い壁のペルーパビリオン

 赤い壁にマチュピチュを現した少し立体的な模型を冠したペルーパビリオン。静けさの森の近くにあって、隣はヨルダンのパビリオンがある。

ペルー、万博

 ペルーは人口3400万人で、公用語はスペイン語。一次産業の製品などの輸出と観光業が盛ん。再生可能エネルギーやスマートシティー、AI関連分野にも力を入れているという。

 そんなペルーパビリオンの入り口を入ると円形のスペースがあり、その半分180度分の壁面が巨大なモニターになっていて、ペルーの姿を紹介する映像を映し出している。そしてこの映像が美しい。

 マチュピチュやナスカの地上絵など有名なものから、森林や草原、都市部から人や動物、文化や伝統芸能など様々なものが映像に現れて、ペルーってこんな国だよ! と教えてくれる。

ペルー、万博
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 館内にいたコミュニケーションディレクターのホゼさんが、映像を見ながら隣で解説してくれたので、なかなか贅沢な鑑賞体験だった。
 ホゼさん曰く、150年ほど前から日本からの移民がペルーにやってきて、現地の社会に溶け込み、その子孫たちが脈々とペルーの中で生き続けている。自分にもその末裔の血が多少なりとも入っていると思うくらい、誰の中にも日本人の遺伝子が含まれているのがペルーだと教えてくれた。

 映像を見終わると、隣の空間では日本とペルーの友好を示すタペストリーが飾られていて、これは山形大学のナスカ研究の成果を紹介したもの。またペルーの代表的な料理であるセビーチェやペルー産スーパーフード、スペシャリティコーヒー、ビスコサワーなどの試飲や試食ができたり、民族衣装を纏(まと)った男女が被写体になって訪問者の写真撮影希望に応えていた。

ペルー、万博
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 また壁沿いにはナスカ文化の遺物などの展示がされており、オーガニックフードやコーヒー豆などがあったり、民族衣装が飾られていた。

ペルー、万博
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 最後の空間は世紀の大発見といわれた発掘で見つかったシパン王の像や黄金に輝く装飾品や身につけていたかもしれない武具など、発掘されたさまざまなモノが展示されている。

ペルー、万博
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  一回りするだけなら10分もかからない広さだが、最初の映像をじっくり見て、中で文化や日本人移民の話などを聞いていくとすぐに時間が経ってしまう。

 簡単に世界旅行をした気分を味わえるのも万博の醍醐味の一つだ。