万博レガシーを学生の学びへ継承 関大が新学生会館整備 大屋根リング木材を再活用

 関西大学は、大阪・関西万博のシンボル〝大屋根リング〟で使用された木材を活用した新たな学生会館の整備に着手する。課外活動の拠点として利用されてきた学生会館「誠之館(せいしかん)群」を建て替え、万博の理念や記憶を未来へ引き継ぐ交流拠点として再整備する。2029年3月の完成を予定している。

完成予想パース図(外観)=関西大学提供

 誠之館群は、文化会や学術研究会、体育会などの学生団体が活動する施設。千里山キャンパス内の2号館から8号館までが利用されているが、このうち2号館、3号館、5号館は建設から半世紀以上が経過し、老朽化や活動スペース不足が課題となっていた。

 新施設は地上11階建て、高さ約45メートル、延べ床面積約2万2000平方メートルの鉄骨造。コンセプトは〝アクティブ・グリーンヒル・キャンパス〟で、学生の課外活動拠点としての機能に加え、トレーニングジムや共通講義空間、音楽・スポーツ活動スペースなどを備える。課外活動への参加の有無にかかわらず、全ての学生や教職員が利用できる施設とし、多様な交流を促す〝キャンパス・コア〟として位置付ける。

 最大の特徴は、万博会場の大屋根リングの一部を再現したエントランス空間だ。解体後の大屋根リングで使われた木材を再利用し、リングに込められた〝多様でありながら、ひとつ〟という理念をキャンパス内に継承する。資源循環や環境負荷低減を目指す循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実践にもつなげる考えだ。

大屋根リングの木材をそのまま利用し、そこで使われていた木組みと貫工法を再現したエントランスイメージ=関西大学提供

 高橋智幸学長は「多様な学生が集い、交流と成長を育む環境を整備する。万博で得た理念や経験を日常のキャンパスへ継承し、次代を担う学生の成長と新たな価値創造につなげたい」とコメントした。

 また、芝井敬司理事長は「大屋根リングの理念と記憶を一過性のものにせず、教育の場を通じて未来へつなぎたい。万博レガシー継承の新たなモデルとなることを期待している」としている。

 建て替えに伴う既存施設の解体工事は2026年度内に完了する予定。2027年4月に着工し、2029年3月の竣工を目指す。

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