万博大屋根リングにも採用、CLT工法を解説 門真で公開講座

森林保護テーマに日匠テックが新社屋で開催

 門真市の建設会社、日匠テックは3月19日、国際森林デーに合わせて森林保護をテーマとした公開講座を開催した。会場は、木の板を繊維方向が直交するように重ねて強度を高めた建材「CLT(直交集成板)」で建てた同社の新社屋を使用した。
 講師は森林総合監理士の小森胤樹(つぐき)氏が務め、木材利用の重要性や日本の森林が抱える課題、木造建築の役割について解説した

 同工法は、木材を積層した厚いパネルを用いる建築技術で、木の繊維方向を直交させて重ねることで高い強度を確保できるのが特徴。構造性能の高さが注目され、都市部における木造建築の新たな選択肢として国内外で活用が広がっている。
 身近な例では「大阪・関西万博」の大屋根リングの床面に採用されており、鉄筋コンクリートの5分の1以下の軽さで同等の強度を持つとされる。

 小森氏は「木を切ることは環境破壊というイメージを持つ人が多い」と指摘する。国土の約7割を森林が占める日本では、手入れ不足の人工林が約4割に上る。適切に伐採しないと森林内が暗くなり下草が育たず、土壌流出や土砂災害の原因となる恐れがあるという。間伐などを通じて適切に木材を利用することで、森林の健全な循環と保全につながると説明した。

 木造建築を通じた木材利用は、森林資源の循環と更新を促し、持続的な活用と保全に寄与する。「問題は切りすぎではなく、使わなさすぎ」とし、同工法は「木を使う」循環を支える技術として期待されている。

CLT工法で建てられた門真市末広町の新社屋
CLTパネルの構造を見ることができる階段部分
小森さんの講演を聞き入る日匠テックの社員
森林資源の循環について講演する小森さん

国産材活用に意欲、CLT工法の利点と可能性

 同社の尾松慎介社長も国産材の活用に意欲を示す。CLTパネルは従来の木材に比べ、強度や断熱性、遮音性に優れ、鉄骨造に近い耐久性を持つ。従来は木造建築では3階建てが限度とされていたが、CLT工法では3階建て以上も可能になる。断熱性や遮音性に加え、木に囲まれた空間は視覚的な安らぎや木の香りによるリラックス効果をもたらすため、高齢者施設や病院、学校、保育園などで導入が進んでいる。

 尾松社長は「冬に暖房を切って退社しても、翌朝には室内が暖かく感じられるほど断熱性と気密性が高い」と話す。加えて、「森林資源を手入れし、活用することが豊かな暮らしにつながる」と締めくくった。

CLTパネルを手にする尾松社長。繊維方向を交差させた積層部分がよくわかる

■日匠テック株式会社/大阪府門真市末広町32-25/電話06(6908)5588

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