文部科学省が推進する中学校部活動の地域移行が、門真市で成果を上げている。少子化や教員の働き方改革の課題から始まった取り組みは、運動部が比較的スムーズに進む一方、文化部の移行は全国的に難航している。しかし、門真市では関西フィルハーモニー管弦楽団や若手演奏家の協力を得て、吹奏楽部の地域移行が順調だ。
市内全体から集まった38人の部員は、廃部になった学校の楽器を活用しながら活動。チューターの指導を受け、楽しみながら技術を向上させている。月に一度は管弦楽団員が特別指導を行い、専門的なアドバイスが演奏の質を高めている。

参加する中学校2年生の岡井凛さんは「少人数の吹奏楽部では味わえなかった大勢での合奏が楽しい」と話す。またルミエールホール館長の別府尚武さんは、「学校の枠を越えた取り組みで吹奏楽の魅力を再発見してほしい。そして、将来的には門真市からプロの演奏家が生まれてくれたら」と期待を寄せる。同市の地域全体で支える吹奏楽部の取り組みは、今後の教育モデルとして注目されている。