
11月9日に大阪市住之江区のインテックス大阪で行われる「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」準決勝を前に、出場棋士の永瀬拓矢九段(33)が7日、高槻市役所総合センターを訪れ、濱田剛史市長を表敬訪問した。対局の佐藤天彦九段(37)は欠席。日本たばこ産業(JT)大阪支社の嶋田有里菜支社長らも同席した。
嶋田支社長は「将棋を通じた文化支援事業として本大会を実施しています。準決勝ではお二人の熱戦に期待しています。同時開催の『テーブルマークこども大会』では未来の棋士を育む場にもなっており、高槻市には後援とブース出展でご協力をいただいています。今後も良好な関係を築き、将棋文化の発展に貢献していきたいです」と挨拶した。
永瀬九段は「多くの少年少女に楽しんでもらえる対局をお見せしたいです。スピーディーな棋戦なので集中して臨みます。滞在中は大阪のたこ焼きなど、おいしいものを食べて英気を養い、よい将棋を指したいです」と抱負を語った。
濱田市長は「将棋ファンとして準決勝を心待ちにしています。昨年12月には高槻市芥川町に新しい関西将棋会館が移転しました。本市は『将棋の街』として地域活性化に力を入れています。JTさまが長年にわたり将棋文化を支えてこられたことも心強いです。両棋士には歴史に残る一局を期待しています」と激励した。
歓談では、永瀬九段が「私は12歳のときに『テーブルマークこども大会』の第1期生として出場しました。その経験がプロ入りにつながりました。子どもたちにもこの大会を通じて夢をつかんでほしいです」と語り、会場を和ませた。
また、「将棋は自分で『負けました』と宣言する世界でも珍しい競技です。自分の口で言うのはくやしいですが、それも人生の学びになりました」と、加えて「実は私は負け方もうまいんです」というジョークで笑いを誘う場面もあった。

永瀬九段は9歳で将棋を始め、3年後に四段に昇段。将棋の魅力について「年齢に関係なく大人も子どもも同じ盤上で戦えることがすばらしいと思います。多くの方にその楽しさを知ってもらいたいです」と語った。
最後に、永瀬九段が市長に色紙と扇子を贈り、記念撮影を行った。
「JTプロ公式戦」は日本将棋連盟所属の棋士12人によるトーナメント戦で、全局公開対局として実施。持ち時間は各10分、振り駒で先後を決定する。準決勝の勝者は決勝戦で藤井聡太六冠(23歳)と優勝をかけて対戦する。同時開催の「テーブルマークこども大会」は小学生以下(未就学児を含む)を対象に行われる。
