「門真はポテンシャルのある街」 門真市長 宮本一孝さんにインタビュー

 門真市長の宮本一孝さんに、門真市の魅力や、立て続けに予定されている各エリアの再開発について、そして市長が目指している門真市の未来の姿について話を聞いた。

宮本一孝門真市長

プロフィール

1970年門真市元町生まれ。門真市立門真小学校・第六中学校出身。
1999年から2007年まで門真市議会議員、2007年から2016年まで大阪府議会議員を経験。
2016年から門真市長を務めており、現在3期目。趣味は落語。

門真エリアの利便性について教えてください。

 まず門真は、交通の利便性がいいですね。京阪電鉄と大阪モノレール、大阪メトロが乗り入れて合計7つの駅があります。さらに2033年に大阪モノレールの延伸が予定されており、駅が市内に2つ増える予定です。車のアクセスも良く、門真ジャンクションから第二京阪道路・近畿自動車道への乗り入れをスムーズにできます。大阪市内へは鉄道・自動車ともに30分程度でアクセスできます。東西4・9㌖、南北4・3㌖というコンパクトな地域の中に鉄道と高速道路がこんなに集約しています。
 あとはどこも平地なのが特長です。坂がなく、徒歩や自転車でも行き来しやすいところが利点ですね。
 それと、門真は「共働きがしやすい街」と言っていただくことが多々あります。職場と住居が近いのが理由の一つでしょう。元々門真は工場が多い地域なのですが、工場は女性が勤務しやすいんです。先ほどもお話しした通り、道が平坦で自転車や徒歩通勤が楽なので、昔から家の近くの工場や会社で働く女性が多かった。大阪市内へ勤めに行く方が多いですが、アクセスがいいので通勤時間が短く済みます。

門真市の名所の一つ、砂子水路の桜

子育て支援にも力を入れているとか。

 様々な取り組みを行っております。例えば、市内の病児・病後児保育室の利用料を引き下げているので急な子どもの体調不良にも対応しやすい。安心して子どもを預けて働いていただく環境を整えています。

新駅だけでなく、各エリアで今開発が進んでいますが具体的にはどんな内容ですか?

 まず、古川橋に来春、文化創造図書館KADOMADOがオープンします。続いて門真市駅周辺エリア、そして門真南エリアでも開発を予定しています。
 大阪モノレールの延伸事業では、門真市駅から南へ延伸を予定しており、大阪メトロ長堀鶴見緑地線、JR学研都市線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線に接続します。門真市内では「ららぽーと門真」と「コストコ門真倉庫店」の最寄駅となる新駅、大阪メトロ長堀鶴見緑地線と接続する「門真南」駅が新設されます。市全体として大阪の南部エリア、門真市、奈良方面へのアクセスがより良くなり、南部エリアの市民にとっても暮らしやすさが向上されます。
 門真市駅周辺は、駅前の「門真プラザ」の建て替えを軸とする再開発を進めています。駅前には43階建てタワーマンションと商業棟、歩行者デッキや広場が新たに整備される予定です。
 駅前開発に合わせて行うのでこれからですが、門真南駅エリアは「門真南駅周辺地区まちづくり基本構想」を策定し、「子どもが居心地よい駅まち・門真南」をコンセプトに掲げ、駅前、居住複合、公園、農園等、それぞれでにぎわいを創出します。本市の南の玄関口としてさらなる魅力向上に努め、子育て世帯に選ばれる街づくりを推進していきたいと考えております。

一気に開発が進んでいる印象ですが、その背景は?

 門真市は元々1960年代に、約10万人以上、人口が急増し十分な都市計画を行えないまま緊急で住宅の増強等を市全体で行った背景があります。
 そして60年ほど経ち、それらが今更新するタイミングに来ているということです。加えて、大きな商業施設ができたり、新駅開業が進んだりと状況も変化しています。全てのタイミングが重なり、変化の時期に入ったということです。
 駅をつくるということは移動の流れが変わることでもあるので、電車以外の交通網の変化等も念頭に置いて開発を進める必要があります。単に駅をつくるのでなく、新駅設置を通じて周辺地域の利便性や魅力アップのために街づくりに取り組んでいきます。

ここ数年で、市内の人の流れは変わりましたか?

 直近で大きく変わったのは、「ららぽーと門真」と「コストコ門真倉庫店」のオープンですね。この2施設がこれだけ都市部と近い場所にあるのは珍しいそうで、開業をきっかけに大阪市内からの門真市への流入がぐっと増えました。今でも高速道路があるおかげで奈良方面から来る方も少なくないそうで、新駅ができることでより南部エリア・府外から門真へ訪れる人や移住する人が増えるとうれしいですね。
 また、ホテルの開業ラッシュが続き、門真市駅周辺で全900室を超えました。これをきっかけに観光・ビジネス利用の人口流入も期待しています。

市民の憩いの場、弁天池公園

門真をどんな街にしていきたいですか?

 昔から変わらない門真の良いところは「下町っぽさ」だと思います。人付き合いが濃く、温かみを感じます。これからの門真は、下町の良さを残しながら、新しい要素も取り入れていきます。
 市の施策としては、子育て・教育に引き続き力を入れていきます。認知機能や特性に応じた個別最適な学びや探究的な学びを推進します。専門家の方々と連携し〝誰一人取り残すことなく子どもを見守る〟「チーム学校」の取り組み、市教委による教職員への伴走支援、地元企業と連携した授業づくりなどを今も進めています。部活動の地域移行も先駆的に取り組んでいます。
 そして各エリアの開発を通じて、門真全体で「ウォーカブル※なまち
づくり」を行っていきたいです。先ほどもお話ししたように門真市は地理的に歩きやすいので、生活に必要な施設やサービスが徒歩圏内でアクセスできるような、徒歩の生活圏がもっと充実した街にしていきたいと思っています。
 門真はポテンシャルのある街だと感じます。これからも「安心して、暮らし続けたくなるまち」を作るため、引き続き取り組んでいきます。

 ※ウォーカブル…従来の「車中心」でなく、「歩行者中心」の歩きたくなる快適な街への転換を目指す取り組みで、全国各地に広がりを見せている。にぎわいや交流を創出するねらいがある。

門真が変わる!再開発まとめ

門真市駅前

門真市駅前

 駅前2㌶の区域で、老朽化した「門真プラザ」等の建て替えにより、43階建ての住宅棟と商業棟が建設されるほか、駅前広場の再整備も行なうことで回遊性向上・にぎわい創出を図る。

古川橋駅前

古川橋駅前

 駅北側の市立第一中学校跡地に、図書館、文化会館、カフェなどの機能を有する文化創造図書館KADOMADOが2026年5月オープン予定。これに隣接する形で、高層住宅や交流広場もできる。

門真南駅前

門真南駅前

 駅周辺・住宅地・公共施設などを含めたエリアで、まちづくりの検討が動き出している。大阪モノレールの延伸とあわせて、門真南駅周辺を「南の玄関口」として位置付け、にぎわい・交流・都市機能を加え、子育て世代に選ばれるような住環境や公園整備・地域交流スペースの創出などを行う予定。

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