
老舗ベーカリーの神戸屋(本社・大阪府豊中市)が、パンを売らないという逆転の発想から生まれた新業態に挑む。〝パン屋が営むビストロ酒場〟をコンセプトにした「ビストロ酒場 Attet 1918(アテット イチキューイチハチ)」を26日、大阪市北区の大阪富国生命ビル地下2階に開業する。創業107年を迎える同社にとって、日本初となる業態だ。
同店は、パンそのものの販売や提供は行わず、長年培ってきた製パン技術や料理のノウハウを生かし、〝パンを生かした料理〟を提供するのが特徴。パン業界の新たな可能性を示し、体験価値の高い飲食空間を創出する狙いがある。
看板メニューの一つ「いちじくとクルミのやみつきトースト」は、人気商品「トゥルニュ」をベースに、アンチョビバターとはちみつを合わせ、香ばしく焼き上げた一皿。甘さと塩味のバランスが絶妙で、仕上げに削るパルミジャーノチーズがコクを添える。

このほか、岸和田漁港で水揚げされた釜揚げしらすを豪快に盛り付けたブルスケッタや、大山どりの骨付きもも肉を低温調理したコンフィ、鳥取県産グランサーモンをレアに仕上げ、提供時にスモーク演出を施すカツなど、酒場メニューも充実させた。

神戸屋は「パンのプロだからこそ提案できる、新しい楽しみ方を発信したい」としており、パン文化の裾野を広げる拠点として注目を集めそうだ。


■ビストロ酒場 Attet 1918(ビストロサカバ アテット イチキューイチハチ)/ 大阪市北区小松原町2番4号 大阪富国生命ビル地下2階/電話06(6809)5561
