困難な時代に〝生きる勇気〟を問う 「月桃の花」歌舞団が新作ミュージカル上演

10~20代が描く「今」と「戦争」 大阪・クレオ東で8日公演

 物価高騰などで生活の厳しさが増す現代社会に、未来への希望と「生きる勇気」を問いかける舞台が登場する。沖縄にルーツを持つ「月桃の花」歌舞団の新作ミュージカル「私はここだ! Hope is in ourselves」が、11月8日午後6時半から大阪市城東区のクレオ大阪東ホール(大阪市鴫野西2丁目1―21)で上演される。

 同作は、10~20代の若者が脚本・演技を手掛け、「今」と「戦争」という二つの時代を交錯させたオリジナル作品。現代社会を生きる登場人物たちの孤立や苦悩と、沖縄戦で「ガマ(洞窟)」に追い詰められた人々の記憶を重ね合わせながら、希望を見いだす物語が展開する。「Hope is in ourselves(希望は私たち自身の中にある)」というテーマを軸に、若き演者たちが自らの存在を叫ぶように「私はここだ!」と訴える。

 先に行われた西宮公演では、「つらい中だけど元気が出た」「ガマで亡くなった人たちの思いをこんな方法で表現され感激した」といった感想が寄せられ、観客に深い感動を与えた。歴史の重みを現代の視点で再構築し、「今と過去が断絶していない」という実感を鮮やかに描き出す。

 作品は、非正規労働の増加や物価上昇など、誰もが抱える「生きづらさ」にも真正面から向き合う内容となっている。「社会の問題を見事に表現しており、勇気をもって生きていく力をもらえた」との声も多く寄せられた。舞台を通じて、観客が現代社会での困難を肯定し、共に立ち上がる温かな場を目指している。

 また、公演後には団員と来場者による意見交換会も実施予定。作品を通じて感じた思いや課題を語り合うことで、観るだけで終わらない「共有と共感の場」を生み出すという。

 チケット料金は、経済的な事情に配慮し、誰もが観やすい価格設定。前売り料金で一般2000円、学生・障がい者・非正規雇用の従業者1000円、高校生以下500円。若い世代を応援する意図も込められている。

 問い合わせは、山川よしやす事務所(大阪市城東区関目6丁目4―2 カサビアンカ関目103号室)電話06(6936)3073、メール=heiminnokaiosaka@gmail.com。または、事務局・森宛、電話090(3275)7312へ。

新作ミュージカル「私はここだ! Hope is in ourselves」のチラシ表面
新作ミュージカル「私はここだ! Hope is in ourselves」のチラシ裏面
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