兵庫県加古川市に本社を置く「おたいちアミューズ」は5月16日、大阪市福島区海老江に「クレーンゲーム&カプセルトイ専門店 OTAICHI!!POP!!WORLD!!(オタイチ!!ポップ!!ワールド!!)大阪福島店」をオープンした。東加古川(兵庫)、岐阜大垣、愛知西尾に続く4店舗目で、大阪進出は初めて。オープン当日には700人以上が列をつくり、全天候型レジャースポットとして関西各地から注目を集めている。

店舗面積は約1652平方㍍(約500坪)。クレーンゲーム150台以上とカプセルトイを備える大型施設だ。ディズニーや「ちいかわ」などの人気キャラクターグッズ、フィギュア、ぬいぐるみに加え、お菓子やティッシュ、洗剤といった日用品まで、世代を問わず楽しめる景品が並ぶ。駐車場は280台分を確保しているが、都心立地ということもあり、自転車や電車での来店も多い。「帰りは大きな景品を抱えて電車に乗られているのかもしれません」 と、事業統括部長の中尾文彦さんは想像してほほえんだ。

同社のルーツはリユース(中古品の再販売)事業にある。東海から関西、中四国エリアにかけてリユースショップ「お宝市番館」を8店舗展開しており、クレーンゲームはもともと「売り買いの合間も楽しんでほしい」一心で、店舗の一角に置いたのが始まりだった。ところがコロナ禍を境に人気に火がつき、独立した専門店として拡大路線へ。2023年頃まで「クレーンゲーム専門店」という業態そのものがほとんど認知されていなかった中、同社はいち早くその可能性に着目した。
リユース業で培った「何が売れているか」を把握するノウハウは、クレーンゲームの景品選びにも直結する。売れ筋の商品をいち早くゲームの景品として取り入れることで、来店者の満足度を高める仕組みだ。最近のトレンドとして目立つのが日用品の人気上昇。洗剤やティッシュなど「生活に使えるものが獲得できる」という実用性が、幅広い客層に受け入れられている。

同社が専門店を展開するにあたって視察したのが〝クレーンゲーム大国〟として知られる台湾。現地で目を引いたのが「店内カートの活用」だった。実際に現地を訪れた中尾さんは「衝撃的でした!」と当時を振り返る。
日本では獲得した景品は店内に設置されたビニール袋に詰めて持ち運んでいたが、景品が増えれば増えるほど手が塞がるので遊びづらく、不便だと感じていた中尾さんは、直ちに店内カートを導入。今や日本のクレーンゲーム業界でも店内カートの導入が当たり前になり、手荷物を気にすることなく遊技に熱中できるようになった。
大阪福島店のオープン時には、通常のイエローカートに代わる特別仕様のブラックカートを抽選でプレゼントする企画を実施し、好評を博したのもそうした背景が伺えるというものだ。

店内の設計や装飾についても、大工兼クリエイティブチームを有していて「すべて自社のスタッフが手がけています」と中尾さん。売り場は見通しと動線にこだわり、すっきりと明るくしつらえて、随所を手描きPOPやネオンサイン、小物できらびやかに演出。店内を歩き回るだけでも「ワクワクする」空間演出にこだわった。エントランスには人の動きやクレーンゲームの操作に反応して拍手をするロボット「ビッグクラッピー」君が出迎えて、来店者の笑顔を誘う。

こうした細部にまで行き渡る「体験」へのこだわりは、リユース業時代から変わらない同社の流儀だ。「ただ物を売り買いするだけでなく、店に来ること自体を楽しんでもらう」というエンターテインメントの発想が根底にある。
客層の中心は、子育て世代や小さな子どもを持つ家族連れ。このため店内は清潔さを保ち、ベビーカーでも移動しやすいよう通路は広々。営業時間も午後10時までと、ファミリーが使いやすい設定にしている。夏場は冷房の効いた屋内で涼みながら遊べる「クールスポット」としての活用も見込んでおり、〝日常の中で気軽に立ち寄れる場所〟を目指す。
中尾さんは、従来の「ゲームセンター」という概念にとらわれない新しい家族向けのレジャー施設として全国各地で定着させたいと話す。今後は滋賀県や香川県への出店計画も進んでおり、OTAICHI!!POP!!WORLD!!の展開は止まることを知らない。
大阪福島店の営業時間は午前11時〜午後10時。
