量から質の誘客へ 涼・食・船旅で滞在価値高める 大阪観光局

 大阪観光局は6月24日の定例記者会見で、大阪府内の観光概況と夏場の誘客策を発表した。5月に大阪府を訪れた訪日客数は158.8万人で、前年同月比3.6%減。1~5月累計では725.3万人となり、同1.4%減と前年をやや下回った。一方、国・地域別ではインド、韓国、台湾、マレーシアなどで堅調な伸びがみられ、来阪市場の多様化が進んでいる。

記者会見した(右から)溝畑理事長、香西かおりさん、GANKOの井本貴大副本部長、大阪住みます芸人・Span!の水本健一さん=6月24日、大阪観光局(大阪市中央区)

 インドは3.8万人で前年同月比31.3%増となり、単月で過去最高。韓国は27.7万人、台湾は14.8万人、マレーシアは3.5万人となり、それぞれ過去最高を更新した。一方、中国は18.9万人で前年(47.7万人)より6割減となり、全体の数字を押し下げた。

 国内旅行でも万博効果が表れている。観光庁の旅行・観光消費動向調査によると、2025年に大阪を訪れた日本人旅行者数は3886万人で前年比50%増、旅行消費額は2兆1094億円で同53%増。消費単価は約5万4280円で同1.7%増となった。

 溝畑宏理事長は「インバウンドのみでなく、日本人にも大阪の魅力発信を強化していく」と考えを示した。

 夏場の誘客策として発表されたのが「クール大阪」だ。近年の酷暑を踏まえ、日差しを避けて楽しめる商店街や地下街、商業施設、グルメ、ナイトタイム観光などの情報を、観光局の公式サイトやSNSを通じて発信する。関連施設ではオリジナルステッカーも掲示し、夏の観光を盛り上げる。

 大阪では、夏期にインバウンドが大きく減少する傾向は現時点でみられないものの、、日中の暑さを避けながら快適に観光できる環境づくりは国内外の観光客を受け入れるうえで重要性を増している。

 このため、室内で楽しめる観光や夜の観光を組み合わせ、「クールケーション」をテーマにした新たな大阪観光の打ち出しを進める。

香西かおりさん起用で動画発信も

 情報発信では、演歌歌手の香西かおりさんとミャクひろしこと溝畑理事長をメーンキャスターにした大阪観光局の公式YouTube番組「かおりとヒロシの、美味しい大阪大発見!」(毎月2回配信)も始まる。香西さんは「楽しくわかりやすく世界に発信したい」と意気込み、食や観光スポットを訪ねながら、大阪の魅力を動画で届けていく。

 また、観光人材を育成する「KLP塾」も8月に開校する。溝畑理事長が塾長を務め、観光や地域創生、IR、ホスピタリティ分野に関心を持つ若者らに講義とフィールドワークを実施。地域の魅力を事業化できる人材の育成を進める。

 高付加価値観光としては、客船「ガンツウ」による大阪特別航路も発表された。8月21日に大阪港を出航し、23日に下船する2泊3日の航路で、料金は1人90万~140万円。ガンツウは「せとうちの海に浮かぶ、ちいさな宿」をコンセプトにした全17室の客船で、昨年に続き大阪港発着の特別航路を実施する。

 大阪観光局は、同航路で大阪府域の観光コンテンツの企画や食の魅力発信などに協力。航路では堺や泉州地域などを巡り、商業、産業、祭礼文化にふれる内容が盛り込まれる。瀬戸内地域との連携を深め、クルーズを活用した広域周遊やベイエリアの魅力発信につなげる方針だ。

 万博を契機に国内外から注目を集める大阪。この観光需要を万博後もどう持続させていくかが焦点となる。

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