塩野義、売上・営業利益が過去最高 鳥居薬品連結が本格化

 塩野義製薬(大阪市北区)は30日、2025年度第3四半期決算(4~12月)を発表し、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益がいずれも過去最高を更新した。四半期累計の売上収益は3607億円、営業利益は1487億円で、通期予想に対する進捗率も順調に推移している。

 決算説明会には、代表取締役会長兼社長CEOの手代木 功氏が登壇した。第1・第3四半期の説明会では同氏が出席しないケースも多いが、今回は重要な局面として自ら説明に立った。手代木氏は、第3四半期決算で最高益を更新し、売上・営業利益ともに過去最高となった点を説明し、中長期成長に向けた投資の成果が表れ始めているとの認識を示した。

 業績を押し上げた要因の一つが、鳥居薬品の連結効果の本格化だ。鳥居薬品の売り上げが業績に反映され、国内医療用医薬品の収益拡大につながった。販売や研究開発面でのシナジー創出も進み、コストマネジメントを維持しながら収益基盤を厚くしている。

 海外事業では、HIV事業が引き続き力強い成長を示した。長時間作用型注射剤(LAI製剤)を中心にロイヤルティー収入が増加し、欧米市場での存在感を高めている。手代木氏は、HIV領域が同社の成長を支える柱であり、今後も安定した収益基盤として強化していく考えを示した。

 また、第3四半期までに実行した一連のM&Aも特徴的だ。JTグループ医薬事業の承継や、田辺ファーマ社(大阪市中央区)からのエダラボン事業の獲得、海外企業への出資などを通じ、感染症領域に加え、希少疾患や生活の質(QOL)に関わる疾患の領域へと事業の幅を広げている。これらの取り組みにより、一過性の増益要因として負ののれん発生益も計上した。

 研究開発投資も継続的に拡大している。感染症や社会的影響度の高い疾患を中心に、国内外で複数の開発プロジェクトが進行しており、将来の成長に向けたパイプラインの厚みが増している。

 手代木氏は、短期的な業績だけでなく、2030年を見据えた成長の土台づくりが重要だと述べ、投資と収益の好循環を確かなものにしていく姿勢を示した。

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