関西鉄道、収益構造の転換へ 運賃値上げと指定席拡大が並行

 関西の鉄道各社が、従来の基本運賃に依存した収益モデルからの転換を急いでいる。インフレによるコスト増や老朽化対策への対応が迫られる中、快適性を求める乗客のニーズに応える「有料座席」の導入や特急料金の見直しなど、新たな収益源の確保を先行させている。

 通勤時の着席需要を捉えた有料座席サービスは、先行する京阪電気鉄道が年間約10億円の増収を上げるなど好調だ。これを受け、導入済みの阪急電鉄やJR西日本に続き、近畿日本鉄道が今年6月に一般車両で初めてとなる指定席を新設し、阪神電気鉄道も来春に指定席を導入する。南海電気鉄道は今年4月に特急「ラピート」の料金を改定し、近鉄も特急料金の引き上げを予定している。

 各社がこうした運賃外収益を強化する背景には、基本運賃の改定に伴う高いハードルがある。値上げには国の厳格な認可が必要であり、一度改定すると原則3年間は見直しができないため、足元の急激な物価高騰に機敏に対応しづらいという制度上の課題がある。

 それでも老朽化対策などの設備投資は急務となっている。阪急阪神ホールディングスは、今年度の投資額が例年の約2倍(755億円)に膨らむ状況を受け、2030年度までに傘下2社の運賃引き上げを目指す。実現すれば1995年以来の実質的な値上げとなる。JR西日本も民営化後初となる基本運賃の値上げを検討中だ。近鉄や南海、京阪はすでに運賃改定を済ませており、関西の鉄道網は対価に応じてサービスを選ぶ時代へと移行している。

「プレミアムカー」を連結する京阪電鉄3000系(京阪電気鉄道提供)
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