シェルター整備 市区町村単位で100%へ 政府方針案 地下街や駅地下を活用

 政府は3月31日、ミサイル攻撃などの有事や大規模災害などの緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針を閣議決定した。これまで都道府県や指定都市単位で進めてきた緊急一時避難施設の整備をさらに進め、2030年までに市区町村単位で人口カバー率100%を目指す方針を打ち出した。

 政府は、今年中の設置を目指している防災庁を含む関係府省庁が連携し、シェルター確保を戦略的かつ持続的に進めるとしている。
 基本方針では、政治経済の中枢を含む都市部では、昼間人口の多さや交通の集中により、緊急時に速やかな移動を伴う避難が難しくなると想定。住民だけでなく、通勤者や来訪者、滞在者も含めた避難先の確保が必要だとした。主要駅や大規模建築物の地下空間、地下駅舎、地下街、地下道、地下駐車場など、既存の地下施設の活用を重視している。
 政府によると、緊急一時避難施設の全国の人口カバー率は150%を超え、地下施設の人口カバー率も5%を超えた。ただ、この数字は全国全体で見た受け入れ余地を示すもので、地域差がある。基本方針でも、地下施設は都市部に偏在しているとし、地域の実情を踏まえながら、さらに確保を進める必要があるとした。
 今回の方針の柱の一つが、自然災害時と有事のデュアルユースである。平時は会議室や駐車場、にぎわい・交流創出スペースなどとして活用し、緊急時にはシェルターとして機能させる考え方で、自然災害時の避難施設と一体的に整備を進める。帰宅困難者対策の一時滞在施設となっている民間施設についても、理解と協力を得ながら緊急一時避難施設としての指定を進める方針だ。
 また、都市部の地下施設では、数時間から1日程度、長くても数日程度の短期避難に対応できるよう、滞在機能の充実も促す。簡易トイレや簡易ベッド、備蓄倉庫、電気設備などの整備を推奨し、新たに整備される地下空間についても、シェルターとしての活用を見据えた設計を働きかける。
 政府は今後、避難施設の分かりやすい表示や所在地情報の充実、避難訓練の推進にも取り組む。地下街や主要駅の地下空間を多く抱える大都市では、平時利用と両立させながら、身近な場所にどう避難先を確保するかが課題となりそうだ。

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