日本維新の会は、北陸新幹線の敦賀〜新大阪間の延伸計画を巡り、小浜・京都ルートに加え、米原など計8ルートを再検討するよう国に求めた。費用や工期などの比較を通じ、最速開業を目指す「見える化」を進める構えだ。

北陸新幹線延伸小浜・京都ルートに再び疑義 透明な比較検証を要求
北陸新幹線の敦賀─新大阪間の延伸を巡り、日本維新の会は、小浜・京都ルートに加え、米原、湖西、舞鶴、亀岡などを含む計8ルート案について、費用便益比(B/C)や工期、事業費などを比較検討するよう国に求める方針を示した。12月2日の党会合で確認し、国土交通省に対して最新の試算を提示するよう要請した。
維新は、自民党との連立合意に基づき、整備新幹線の与党プロジェクトチーム(PT)での議論を通じて計画の「見える化」を進める構え。与党内の協議が本格化しつつある。
延伸ルートは2016年に自公政権下で小浜・京都ルートに決定されたが、京都市内の地下水や文化財への影響に加え、建設資材の高騰による事業費の膨張も指摘されており、着工は遅れている。一方、米原ルートは過去の試算で費用や期間の優位性が示され、滋賀県や経済界から再検討を求める声が高まっていた。
3日の定例会見で、大阪府の吉村洋文知事は「1日も早く大阪まで開業させることが最も重要だ」と強調。現行案はB/Cが1を下回る可能性もあるとし、「現実的なのか疑問」と述べた。さらに「数字に基づいて冷静に判断すべき」と、すべての案の比較検証を求めた。
維新の藤田文武共同代表も同日の会見で「8案すべてを俎上(そじょう)に載せ、ガラス張りの整備計画にする」と述べた。

