コミュニケーションライター/黄本恵子

子どもの教育、お金の管理、将来のこと、日々の生活…。夫婦間で意見が分かれてしまうことってありますよね。相手と意見が違う場合、いつも感情的になり過ぎて話し合いがこじれる、険悪な雰囲気になってしまう…という ことはありませんか?もしそうなら、『伝え方』と『視点』を変える必要があるかもしれません。夫婦間で意見が分かれた場合でも、円滑に話し合いがまとまるコミュニ ケーションのポイントについてお伝えします。
まずは“Yes”で受け取る
相手の意見が自分の意見と違う場合、すぐさま否定していませんか?誰しも頭ごなしに自分の意見を否定されては腹が立つもの。相手の意見に対して否定から入ると、反感を買い、自分も否定されることになります。まずは、一旦“Yes”で受け入れましょう。話し合いで喧嘩や険悪な空気にならない人は、相手の意見をYesで受け入れてから、自分の意見を伝えています。相手の意見を受け入れることで、自分の意見に対しても聞く耳を持ってもらうことができます。 Yesで受け取った後にも注意が必要です。「いや」「でも」「だって」など、 相手の意見を真っ向から否定する言葉を使うと心理的抵抗が強くなります。 「ところで」「それで」「実は」「そういえば」など、相手が抵抗感を抱き にくい言葉を使うのがおすすめです。(『Yes,And法』と言います)
<住む場所で意見が分かれた場合>
「いや、一軒家はダメよ!マンションが利便性高いし効率的よ」 ↓
「なるほど、一軒家かあ。ところで、マンションは利便性高くて効率的よ」
『引用』を使う
相手に意見を受け入れてもらいたい場合、第三者の意見を用いて伝えると いうやり方があります。『引用』というテクニックです。引用する人物は、 相手が好意を抱いている人物であるほど納得感が増します。また、第三者を 通して伝えることで、夫婦間の感情的な対立を避けることができます。
<子どもの習い事で意見が分かれた場合>
「子どもの習い事は英語を優先するべきだと思うわ」↓
「この間あなたの好きなタレントの○○さんが『将来のために子どもには2歳から英語を習わせてる』って話してたわよ。私も子どもの習い事は英語を優先するべきだと思うわ」
『真ん中』の方法を探す
夫婦の意見が真反対だと、「どちらが正しいか」を争う白か黒かの議論になりがちです。物事は中立です。どちらかが100%正しく、もう一方が完全に間違っているということは少ないものです。 相手と意見が真逆になってしまった場合、『ちょうどいい、真ん中の方法がないか?』を探してみましょう。あるいは、どちらの意見も実行してみるのもいいでしょう。真ん中を方法を探ることで、対立を避け、より前向きな 解決策を見つけることができます。
<資産運用で意見が分かれた場合>
「今どき預貯金だけなんて、あなたの考えは時代遅れよ。絶対に投資に回すべき」
↓
「じゃあ半分は預貯金で、半分は投資にする?」「一年間やって比べてみるのはどう?」
伝え方を工夫すれば、相手の反応が変わります。視点を変えれば、新しい解決策が見えてきます。ぜひ夫婦の話し合いの際に活かしてみてください。
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黄本恵子(きもと けいこ)
大阪市出身。1980年生まれ。関西大学社会学部卒業。心理学について学びを深め、人間関係に悩む人々のカウンセリング業務に従事。その経験を活かし、家族間や男女間のコミュニケーションについての記事を大手WEBマガジンにて執筆。ビジネス書の編集・執筆協力にも多数携わる。米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。
〈メディア出演〉ニュース番組『新・情報7daysニュースキャスター』に出演。「高齢者の親に免許返納を促す伝え方」についての記事が反響を呼び、取材を受ける。朝の情報番組『ビビット』に出演。「2歳児ができること」について紹介した記事が取り上げられる。