
夫が飲み会や出張に行く際「明日飲み会(出張)だから」の一言で済むのに対し、妻は「子どもや家のことをどうするか」をアレコレ対応して出かけな ければならない。なんなら、夫のように急に(頻繁に)出ていけない。こ のような状況に、不満を感じる妻は少なくないようです。
私の知人の中には、「妻に申し訳ないから」という理由で、子どもが生まれ てから飲み会に一切参加せず、出張も日帰りで必ず帰って子どものお迎えに 行く経営者の男性がいます。こういう思考や行動ができる男性は日本にはまだ少ないですね。社会にはいまだに「家のことは女性がやって当たり前」と いう風潮が強く根付いています。
この状況を改善するには、どうすればいいのでしょうか?
『どうしてほしいか』を明確に
女性の持つ不満って、男性にはなかなか想像し難いようです。
妻側としては、『何が不満なのか』を明確にして、『どうしてほしいか』を 伝えることが大切です。
「共働きなのに、私の方が家事の負担が多すぎる!」「夫だけ仕事優先でズルイ!」という不公平感が不満なのでしょうか。急に言われて予定が狂うのが不満なのでしょうか。「仕事や付き合いばかりで、家族の時間を大切にし てくれていない」ことが不満なのでしょうか。
不満の中身を自己分析せず、夫に怒りをぶつけてしまう、あるいは不機嫌な 態度をとってしまうと、言い争いに発展するなど、夫婦仲により深い亀裂が 入ることになります。
伝え方のポイント
夫に『どうしてほしいか』を伝えるのって、心の労力を使いますよね。「嫌 な顔されたらどうしよう」「色々言われたら面倒だな」などいろんな不安がよぎります。それが嫌で、「私が我慢すれば済むことだし…」といつも気持 ちを抑えこむ選択をしている人も少なくないと思います。
伝え方のポイントとしては、命令や強制のニュアンスが強い言い方は避ける こと。
「家事の負担が多くなって大変だから、飲み会は減らしてくれたら助かるん だけど」
など、“自分の素直な気持ち”を伝えて、交渉前提で話をすると、相手の抵抗 感も少なく、話し合いがスムーズに進むことが多いです。
プラスの面にも焦点を当てる
物事には、必ず2つ以上の見方があります。夫の飲み会や出張がマイナス面 ばかりに思えてストレスを抱えている方は、『プラス面』に焦点を当てて見 ることも大切です。
・夜ご飯のおかずを明日にまわせるので、家事がラクになる。
・夫に交換条件を出しやすくなり、休日に自由な時間を確保できる。
・家庭内の主導権を握れる。
・夫は会社で常に重要な役割があり、頼りにされている。
マイナスと思える部分のプラス面を見出し活かすことで、ストレスを軽減で き、より有効的に時間や資源を使うことができるようになります。
この問題は「家事・育児は男女が公平に分担するもの」「家庭を持つ人を急 に(頻繁に)飲み会に誘わない、出張を入れない」といった意識が社会全体 に広がれば、おのずと解決するものだと思います。
早くそういう社会になっ てほしいですが、まずは家庭内でできることとして、今日お伝えしたことを 参考に対応してみてください。
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黄本恵子(きもと けいこ)
大阪市出身。1980年生まれ。関西大学社会学部卒業。心理学について学びを深め、人間関係に悩む人々のカウンセリング業務に従事。その経験を活かし、家族間や男女間のコミュニケーションについての記事を大手WEBマガジンにて執筆。ビジネス書の編集・執筆協力にも多数携わる。米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。
〈メディア出演〉ニュース番組『新・情報7daysニュースキャスター』に出演。「高齢者の親に免許返納を促す伝え方」についての記事が反響を呼び、取材を受ける。朝の情報番組『ビビット』に出演。「2歳児ができること」について紹介した記事が取り上げられる。