支出増の時代、暮らしをどう守る? 支出を減らし、お金を守る3つの視点とは

 食料品をはじめとする値上げが続く中、家計の見直しが急務となっている。総務省「家計調査」によると、2024年のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は28・3%に達し、1981年(28・8%)以来43年ぶりの高水準を記録。
 一般にエンゲル係数が30%を超えると、家計に余裕がない状態とされる。今回の数値はそれに迫る勢いで上昇しており、家計への影響は大きい。では、暮らしを守るために今できることとは何か。若手ながら実績豊富なファイナンシャルプランナー(FP)、〝やまたく〟こと山本啄也さんに、「豊かな暮らしにつながる家計を守るテクニック」として3つの実践ポイントを聞いた。(西村由紀子)

家計改善のカギは「固定費」から

 家計の見直しでまず着手したいのが、毎月の固定費だ。特に通信費や保険料は、契約を見直すだけで効果が長く続く。
「大手キャリアの携帯を使っているなら、格安SIMに乗り換えるだけで大幅に支出が減る可能性があります」と山本さん。保険についても「何年も前に契約したまま内容を見直していない方は要注意。保障が社会保障と重複していたり、必要以上にかけ過ぎているケースもあります」と話す。通信費や保険料の見直しだけで、月数千円、年間で数万円の節約につながることもあるという。


ポイ活で食費を抑える

 次に目を向けたいのが、物価高で家計への負担が増している食費だ。「電子決済を活用してポイントを貯める〝ポイ活〟がおすすめ」と山本さん。「商品によってはスーパーで買うよりネット通販のほうが安いこともあります。各サイトのキャンペーンと組み合わせたり、定期購入で割引を受けたりすることで、さらにお得にポイントが貯まります」。


投資でお金の価値を守る

 こうして生まれた余剰資金は、将来に備えた資産形成に回したい。「今のように物価が上昇している状況では、預金だけではお金の価値が目減りする恐れがあります。長期・積立・分散を基本とした投資に取り組んでほしい」と山本さん。
 少額から始めやすく、途中で引き出せるNISAは初心者にも向いているという。

【プロフィル】ファイナンシャルプランナー 山本啄也  祖母と暮らした八尾市にルーツを持ち、八尾市が大好きなFP。過去に借金で苦しんだ経験から、お金の増やし方・守り方について、関西圏を中心に企業先やセミナーを通じて発信して活動する。「出会った方の資産の最適化&資産の最大化」をモットーに、面談実績は1000名以上にのぼる。 【保有資格】投資診断士/銀行融資診断士/住宅ローン診断士/相続診断士