
テクノロジーで歯科医療のあり方を変えるスタートアップ「オーガイホールディングス」(堺市堺区)は2月25日、医療MaaS車両「O─Gai(オーガイ)」を使った出張歯科検診の実証実験を、堺市内のザビエル公園などで行い、堺市や食酢メーカーのタマノイ酢(同市)が協力した。
検診会場は車内の〝動く診察室〟。受診者は3Dスキャナーで歯や口の中を撮影し、その場で具体的な助言を受けた。矯正用のマウスピースや歯周病の予防薬などは、必要に応じてその場で注文できる仕組みも用意された。
実験に協力したタマノイ酢の社員らは「仕事の途中にすぐ行けて便利。歯医者に行くより敷居の低さを感じた」と歓迎。同社の播野貴也社長は「社員のウェルビーイングに高い意識を持っているが、歯科検診は目からウロコの提案だった」と話した。
現在、日本人の約4割が定期的な歯科検診を受けておらず、特に30代以上は3人に2人が歯周病の兆候があるという。歯科疾患の放置で死亡リスクを高める研究結果もある。
このため、オーガイ社は歯科検診を人間ドックやがん検診のように「企業の福利厚生」に組み込もうとしており、タマノイ酢の播野社長も「コスト面の検討は必要だが、歯科検診を定期的に行うメリットは大きい」と前向きな姿勢を示した。政府も補助金を用意し、普及を後押ししている。
検診が〝行くもの〟から〝来るもの〟へ変われば、歯の健康を守る選択肢が広がりそうだ。

